故障原因探求の仕方【後編】

自動車整備故障診断整備のススメ

せいび界2013年02月号

故障原因探求の仕方【後編】

前回、故障コード=故障原因であるとは、必ずしも限らないという話をした。スキャンツールは故障を直してくれるツールではなく、故障原因のヒントを教えてくれるツールである。
そこで、今回は故障原因を特定するために必要な予備知識について紹介していく。

■ 故障原因探求には情報収集が不可欠

顧客の信頼を得るには、技術とスピードが重要になってくるのは間違いない。高い技術力という土台の上に信頼は成り立ち、スピードを上げることで、顧客を満足させ、さらに信頼を得ることが出来るのである。
故障原因の探求においても同様で、スピードを上げるためには、情報収集が重要になってくる。情報とは、車の調子や車両の性能、数値などのデータ、または、その車両に搭載されているコンピューターシステムの全体像などである。
判断材料となる情報は大まかに実測値と基準値の2つに分かれ、いずれも収集することは必須である。

そのため、情報収集手段の再確認をしてみることは言うまでもない。
実測値の情報収集手段としては、ユーザーに直接聞いていく問診やスキャンツールをつなげて出てくる故障コード、フリーズフレームデータ等、様々にある。基準値は、先輩整備士に聞く、情報誌、専門誌などでも情報を得ることが出来る。
こうした情報を元に原因を絞っていくことになる。

■ 論理的思考で故障原因探求

原因を絞っていく段階で、必要となるのが、筋道立てて物事を考え、故障の原因を探求していく、論理的思考である。
何が原因で故障しているかが分からずに、手当たり次第、交換や修理をするよりも、論理的思考で故障原因の探求をしていくことは、最終的に効率を上げることにつながる。
論理的思考は、今すぐに身につけることが出来るものではない。素早く正確な対応で信頼性を上げるためにも、スキャンツールの導入をきっかけに取り組んでみてはいかがだろうか。

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