エコカー補助金により、多くの車検予備軍が市場からなくなり、整備専業にとっては厳しい局面である。車販に次いで顧客固定化に有効なのが自動車保険ではあるが、契約に至るまで難しいのも自動車保険である。
その必勝法を自ら編み出した整備工場を紹介する。
株式会社アクセス
3店舗合計で34名の有資格者 でお客さまの万一を補償
㈱アクセス(黒木康男社長)は3拠点(岩槻、上尾、久喜)の整備工場・鈑金工場を中心に、お客さまのカーライフをトータルでサポートしている。軽自動車の未使用車をメインに車販を手がけており、自動車保険を提案する機会も多い。
実績もずば抜けており、この3年間で約8,000万円の増収、自動車保険だけでも約4,000~5,000万円も増収したという。
その秘密の一つは有資格者の多さで、合計34名が在籍。そのうち、特級が3名、上級も5名を数える上に専門部署として保険部を置いていることからも、お客さまの万一に備える姿勢が見て取れる。
保険提案のツボは、ただ一点!
もちろん、同社躍進の要因はこれだけではない。これだけ話せばほとんどの方が契約していくという必勝法とも言うべき保険提案のツボを確立、それを実践していることこそが躍進のカギなのである。
これを確立した、同社保険部の岸雅則課長は、そのツボについて次のように語る。
「お客さまが『これが常識だ』と思い込まれている保険の補償内容に対する誤解を解いて差し上げるという非常にシンプルなものです。具体的には対人賠償が無制限となっていても、完全にすべてをカバーできている訳ではなく、それを補う特約が必要であり、その特約(対歩行者等傷害特約)があるのは(私の知る限り)あいおいニッセイ同和損保の『TOUGH クルマの保険』だけであることをご説明する、これだけです。」
当然、特約を追加する以上、保険料が余分にかかる訳だが、それ以上に「補償内容を充実させなくては」という衝動に駆られて、「TOUGH クルマの保険」への乗り換え並びに該当する特約を追加するお客さまがほとんどである。保険は価格だけではないことを岸課長は実感した。
この岸課長の手法を「熟練工の技」と称賛するのが、保険部の安斎雄二部長。「上尾店(岸課長の常駐拠点)の保険が急激に上がっていることを受け、その秘密を聞いたところ、今回の手法を教わりました。私は岸のやり方にアレンジを加えて、対人賠償の説明の前に対物補償の使い方の説明をし、『対人賠償も同じだと思っていらっしゃいませんか?』と対人賠償の話(今回のツボ)をし、見積をお出しするという流れで商談を進めています」と自身の手法を語る。
いずれにしても、一連の手法は対人賠償に対するお客さまの理解が不足しているという事実があることを、過去の商談から導き出したことによるもの。よく言われる「業界の常識は世間の非常識」をうまく突いた手法という訳だ。
しかも、フタを開けてみればお分かりのように、特段費用がかかっている訳でもない。研究熱心さがあれば、誰でも辿りつけるはずである。ぜひ御社でも参考にしていただきたい。