整備工場のためのインターネット活用講座
自動車販売店経営者に「あなたのお店は顧客フォローができていますか?」と質問をすると、たいていこのような答えが返ってきます。「はい。うちはお客さんにも気に入られていますし、良いお店だと思います。」
そんな経営者に「では、あなたのお店はどんな顧客フォローを行っているのですか?」と聞くと、「お客さまに何か言われたすぐに対応するようにしています」「お客さまから何か相談があれば親身になって対応しています」と返答が帰ってきます。きっと、あなたも同じ答えをするのではないでしょうか。
実は、この「何か言われたらすぐにやる」「故障したらすぐに取りに行く」というのは、顧客フォロー以前の問題で、これらは「顧客フォロー」とは言わず「顧客対応」に分類されます。
連絡をくれる一部のお客さまとだけ付き合っていませんか?
自ら来店してくれる。案内ハガキを出せばクルマを持ってきてくれる。という、付き合いやすい一部のお客さまとだけ付き合っていませんか? そのお客さまに一生懸命顧客対応することを、顧客フォローを行っていると誤解していませんか?
全顧客数のうち、自ら来店してくれたりスタッフと仲良くしているお客さまは、良くて数割です。あとの連絡をくれない大多数のお客さまをほったらかしにしておいて、連絡してくれる一部のお客さまとだけ仲良く付き合うことを、お店全体のことと捉えてしまい「ウチはお客さまに慕われている優良店だ」と考えている自動車販売店が本当に多いのです。
「ウチはお客さま対応がしっかりしている良いお店だ!」と思い込んでいる経営者さんは困りものです。「あなたのお店はサービス悪いよね」と言われれば、「そんなことはないよ! ウチはいいお客さまばかりの良いお店だよ!」と言いますし、何か苦情を言われても、「そんな客は来なくていい!」といってお客さまのせいにしてしまいます。これでは、お店のサービスは良くなりません。
サイレントユーザーもサポートする仕組みを作れ
どんな理由であれ、お客さまに何か言われるということは、お店の経営やサービス体制に何かしらの問題があるものです。1人のお客さまに何か意見を言われたら、その背後に30人は同じような不満を抱えているお客さまがいると考えてください。お客さまが意見を言ってくれれば良い方です。ほとんどのお客さまは、多少気に入らないことや心配なことがあったとしても、口に出していってくれません。あなたのお店に苦情を言う代わりに、「連絡をしなくなる」のです。
あなたが「連絡がないから特に大丈夫なんだろ」と考えている時、お客さまの方は「もうあんな店からは買うのやめよう…」などと思っているわけです。これでは顧客は増えません。
あなたのお店や対応が気に入らないお客さまのほとんどは、何もあなたに教えてくれません。顧客のちょっとした声に敏感になってください。その意見を真摯に受け止め、すべての顧客をサポートする仕組みを考えることです。
関谷 秋彦
中古車店・整備工場専門のホームページ制作会社。代表取締役兼WEB ディレクター。元ディーラーフロントマン。中古車店・整備工場専門のホームページ制作会社を経営し、顧客は全国に数十社。中古車販売店や整備工場のホームページ制作を行う傍ら、顧客フォローや集客のアドバイスを行っている。
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