時代の流れを読み増収増益を生むニコニコレンタカーに加盟
業平自動車株式会社(東京都墨田区)
東京スカイツリーが開業して以来、周辺地域はにわかに活気づいている。
その直下で50年以上にわたって営業してきた業平自動車株式会社(菱沼進一社長)も、昨年8月より新たな事業展開としてニコニコレンタカーに加盟した。
ニコニコレンタカーは、ガソリンスタンドや整備事業者などが、中古車を整備してレンタルするという、ニュータイプ・ビジネスのフランチャイズ・チェーン(FC)である。発足してわずか4年で加盟店が1,000店を超えたことからも、そのユーザー層が急速に広がっていることが分かる。
業平自動車も当初6台のレンタカーを用意してスタートしたが、たちまち土日は予約満杯となった。そこで今年の春、26台へと大幅に増車した。すると月間売上は150万円を超えた。8月は全車両がほぼフル稼働しており、その売上は300万円を超える見通しだ。
地元客のリピート利用が多いが、東京スカイツリーの集客効果もあり、遠方からの利用も多い。
レンタカービジネスを始めるきっかけ
同社はヒュンダイタクシー専門の卸元として車両販売をしており、車検や整備を含めて収益が非常に高かった過去があった。タクシー仕様の車が月平均4台以上売れ、これだけで月間200万円以上の粗利を得ていた。しかしヒュンダイが撤退すると、400台あった管理車両が一夜にしてなくなった。そこで今度はサーブの販売を始めた。しかしこれも、ほどなくサーブ本体の破産を受け、撤退を余儀なくされた。
「取引先が潰れたからといって、我が社が潰れる訳にはまいりません。そのために経営リスクが少なくて確実な収益の柱となり得る商材を求めていました。そしてニコニコレンタカーに出会った訳です」と菱沼社長は語る。
FC本部が顧客満足と高稼働の一翼を担ってくれる
車が売れなくなった時代だからこそ、車を「貸りてもらおう」という訳だ。人気車種はキューブやフィットなどのコンパクトカーで、保有車両の7割を占める。「需要がどんどん広がっていると実感します。50台くらいまで増やしていこうかと考えています」と今後の事業拡大にも意欲的だ。
「集客はFC本部がほとんどやってくれます」と、菱沼社長はニコニコレンタカーの集客力の高さを評価する。全国のクレームやトラブル情報を加盟店と共有してくれることも心強いと話す。
「自動車整備業だからこそ、顧客ニーズに即して自在に車両調達ができますし、整備や修理もきめ細かく行っています。旅行や観光で使うよりも、地元のお客さまが何度も利用してくれるようなレンタカー事業ですから、それが収益の多くを支えてくれます。ですから接客や車両の品質が何より重要ですね」と菱沼社長は語る。ニコニコレンタカーの利用者にはFC本部からアンケートメールが届くが、その回答は加盟店にフィードバックされ、これも顧客満足度の向上に役立てているという。
整備事業との兼業だからうまくいく
このように業平自動車にとって、ニコニコレンタカーは起死回生の一手となった。人件費はほとんど変わらず、店舗設備にも新たなコストはかけていない。顧客ニーズに合わせて定休日や営業時間を変更したにもかかわらず、従業員も大賛成で、新ビジネスに前向きに取り組んでくれたことも幸いした。
「これはいいよと同業者6社に紹介しましたが、6社とも加盟しました。立地条件や現業の体制によって立上げ方は異なるでしょうが、事業が立ち上がりさえすれば非常に安定した収入になりますね」と太鼓判を押す。
FC本部は加盟契約前に市場調査や事業シミュレーションを実施してくれるので、まずは問合せをしてみてはどうだろうか。