(指定整備工場)民間車検工場開業への道
新たに民間車検工場(指定工場)の資格取得を目指している認証工場の方々へのお役立ち情報
指定整備を取り巻く環境
指定工場数・指定整備率は共に横ばい!!
工場開業への道」では、新たに民間車検工場(指定工場)の資格取得を目指している認証工場の方々へのお役立ち情報として活用していただければと思う。今月はまず、プロローグな意味で「現在の指定整備を取り巻く環境について」簡単にご紹介しておく。
指定自動車整備事業制度は、昭和37 年に発足し、平成25 年2 月末現在、全国で29,449 事業場になっている。
全継続検査中に占める指定自動車整備事業割合である指定整備率は登録車で74.3%、軽自動車64.1 となっている。
国土交通省では、平成19 年3 月に「指定要件緩和」を盛り込んだ指定要件の細部規定を定めた通達を改正し、同4 月1 日から運用を開始した。この改正により、①工員数の要件について、車両総重量8t 以上・最大積載量5t 以上、または乗車定員30 人以上の車両を取り扱う工場を除いて従来の“5 人以上” から“4 人以上” に緩和、②現車作業場で実施できる検査に可搬式の音量計および黒煙測定装置(オパシメーター)を追加、③整備士についての規定の明確化、機械設備等の拗音・促音の表記の統一化などが行われた。
このうち、①②の改正は指定要件を緩和するもので、特に①の工員数の削減については、“指定整備率のさらなる向上” 目指し、事業者が指定整備資格を取り易くするための措置と言える。しかしながら、指定要件が緩和されて以降の指定整備率はほぼ横ばいで推移しており、期待されていたほどの効果は今のところ出ていない。
しかし、業種別で見るとカーショップやSS など今まで専門認証資格で整備工場を行っていた業態が新たに指定資格を取得している企業が増えている。
今後、指定工場の役割はますます重要になってくる。
要員要件 | 認証工場 | 指定工場 | |
事業場管理責任者 | ー | 1人 | |
工員数 | 2人以上 | 4人以上(注1) | |
うち主任技術者 | ー | 1人以上 | |
うち整備主任者 | 1人以上 | 1人以上 | |
うち自動車検査員 | ー | 1人以上 | |
うち整備士 | 1人以上かつ保有割合1/4以上 | 2人以上かつ保有割合1/4以上(注2) |
(注1)対象自動車の車種に車両総重量8t以上、最大積載量5t以上及び乗車定員30人以上を含む場合は5人
(注2)自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士及び自動車車体整備士を除く
民間車検工場開業への道 第1回指定整備を取り巻く環境