アフターマーケットにおいても独自の路線の強い二輪業
となりの畑はいったい何を耕しているのか?
ユーザーの意識は誰が高めるべきか
エンジンオイルのハイエンド商品はユーザーにとってはあまり馴染みの薄い商材の一つだ。タイヤもそうだが、ついつい安い商品に手が伸びがちで、その真価に気づいていないというのも理由の中にある。ユーザーの意識の問題だが、二輪と四輪ではこの意識のレベルが少し違うこともある。近くて遠い存在でもある二輪業のオイル事情について神奈川県川崎市のM ‘S Factory(川田紘一店長)を取材した。
「最近では、オイルが粗雑に扱われており『サービス』という言葉で済ませてしまっている。四輪の一部では廉価なオイルをサービ
スや安値で提供していることもあり、ユーザーにとって『無料は当然嬉しいし、安くオイルを提供してもらえるのは助かる』といった声もあるが、ユーザーの視点に立って考えればハイエンドオイルを勧めるのは決して間違いでは無い」と川田店長は語る。
確かに昨今ではユーザーの要望の中でウェイトを占めている「安さ」というキーワードが鵜呑みにされていて、本来収益を上げられる商材を捨てているかもしれない。
ユーザーの視点は十人十色
エンジンオイルを交換した際にスラッジまみれのオイル、サラサラで容量の半分以下のオイルを目の当たりにした経験はないだろうか? そんなオイルではユーザーの平均航続距離が延びている中で、どこまでエンジンを守れるか分からない。当然オイル交換だけでエンジンが長持ちするとは言い切れないが、長い目で見るならば、廉価なオイルを提供するだけでは無く、ハイエンドオイルでエンジンにと
って良い環境、壊れにくいエンジンの状態を作ることは「安さ」以上のメリットをユーザーに与えることになるのではないだろうか?
ユーザーの意識を向上させることも修理工場の責任と言っても過言ではない。
「廉価オイルを所望される方もハイエンドオイルの利点を説明すればあっという間に虜になるし、その違いを体感してもらうとリピーターになる。オイルはサービスでやるものではない。
利益を追従するだけではなく、長く乗ってもらいたいという気持ちもある。提案を通じてユーザーとの距離も縮み、車両に対する意識も初心者でさえつくものだ」と川田店長。
売れないと思って提案をあきらめていないか?
何も言わなければ純正のオイルを入れて収益アップにつながることも無いが、たった一言ユーザーに提案するだけで満足度と値段以上の付値を創造できるならば、修理ユーザー、車両の三方よしになるのは言うまでも無い。オイルを通じユーザーとの距離を縮めることに成功しているこの二輪業の事例を見習ければならない。
修理工場にとってのエンジンオイルの立ち位置をもう一度見直してみてはいかがだろうか?
オイル製品
モチュール300V シリーズ
フランス製の高性能オイル
フランス産のダブルエステルテクノロジー技術の開発により、低フリクションでエンジンパワーを最大限に保ちながらも、充分な粘
度を保つ事に成功し、高出力と信頼性を同時に達成させた。二輪業界ではベンチマーク的な立ち位置にいるモチュールブランドの最
高峰オイル。
定 価: 3,623円
粘 度:5W30 ~
フックスTITAN シリーズ
ドイツ製の最高峰オイル
ポルシェとテストを繰り返しながら開発され、低フリクション、低粘度、省燃費、生分解性と、最高規格のオイル。従来のオイルに比べ燃費性能の向上、出力の向上などが確認されている。環境にも配慮されているモデルもあり、亜鉛を全く含むこと無く、窒素酸化物の減少にも成功している。
定 価:4,830円
粘 度:0W20 ~
ワコーズ4CR シリーズ
純日本の老舗ブランド
究極のローフリクションを目指して開発された高級志向のオイル。耐摩耗性、清浄性能、レスポンス向上、耐荷重性、全てにおいて高性能をマークしレースシーンでも活躍の場が広い。コストパフォーマンスに優れたハイスペックオイル。
カストロールエッジ
商工組合でもおなじみのBP カストロール
カストロール最高峰オイルエッジ。4輪用に設計されたハイエンドモデルオイルとなっており高級オイルの入口ともいえる。価格を抑
えながら、極限状態での動力性能をあますことなく発揮させエンジンを保護する。スポーツ走行から街乗りまでエンジンを幅広く摩耗から守る。
定 価:1,820円
粘 度:10W60 ~