経営サポーター活用術
社員の採用コツってありますか?
Q、 当社では離職率が平均よりも高いようで、頻繁に補充要員の採用をしています。勤務態度の良くない(遅刻、欠勤等が多い)従業員にはできるだけやめてもらうようにしているのですが、何か採用時のコツというのはあるのでしょうか?
A、
料理やスポーツと同じように何事にも「セオリー(定石)」が存在します。まずは、採用のセオリーをきちっと押さえているのかを確認してください。段階ごとに順を追っていきますので、ご確認ください。
① 募集広告
仕事の実態を反映しているのかをもう一度確認してください。あまり良いことばかり書きすぎると「想像と違った」と言って早期退職につながりかねません。今の仕事の何が魅力なのかを現役社員から聞き取り調査をしてください。また、他業種を含めて他社採用広告を十分に研究してみてもよいでしょう。
② 採用試験
トラブル社員で悩む会社の多くは「適性診断」を実施していません。時々、「紙のテストで人格がわかるものか」と否定する人もいますが、もはやそれは時代遅れの考えです。確かに紙のテストで、優秀な人を見極めるのは難しいかもしれませんが「変な人」は簡単に見抜くことができます。これまで導入していなければぜひ検討してください。
③ 採用面接
仕事に対する厳しい質問も良いですが、優秀な人に来てもらうためには惹きつけを意識しなくてはなりません。面接は①惹きつけと、②見極めという二つの役割を負っています。採用通知を出してもOK がもらえない会社の採用面接は②見極めの要素が強すぎ①の惹きつけが弱いということになります。惹きつけの基本は自慢ではなくて相手をほめることです。まさにコミュニケーションの基本ですね。
④ 採用・入社手続き
社員が会社の管理能力を判断する最初のタイミングが採用・入社手続きです。まず、採用が決まったらすぐに電話連絡を。優秀な人材は他からも合格通知が届いていることでしょう。また、入社手続きでは健康保険、厚生年金などの法定手続きだけではなく、①雇用契約書の締結、②身元保証書の回収、③顧客情報の取り扱いに関する誓約書などの業務上必要と思われるルールに対する説明をし、必ず署名をもらうようにしましょう。このことで「この会社はしっかりしているから下手なことは言えないな」と思うわけです。
原田 博実(はらだ ひろみ)株式会社エフアンドエム
取締役 (JASDAQ4771)
MBA 経営学修士/関西学院大学大学院 経営戦略研究科 修了
関西学院大学特定プロジェクトビジネスマイニングセンター
客員研究員(2007 年~ 2011 年)
主な著書 「スバルだより」(富士重工/ 2011 年より連載)
「整備戦略 経営特集号」(日刊自動車新聞社)
「財務諸表” 寝かせ読み” 速読法」(アスキー新書/ 2010 年)
「“クルマ屋” 経営塾」(日刊自動車新聞社/ 2011 年)