特集

自動車ビジネス二代目育成塾

関東地方T社の事業継承についてお伝えするが、創業社長はどういったものかを事例を踏まえて少しお伝えしたいと思う。多くの中小企業は事業継承で親子間の確執などが問題に挙がる。親がカリスマの場合、後継者が優秀な場合などそれぞれあるが、まずは後継者側が創
業経営者を深く理解しなければならない。

T社は後継者(息子= 社長)もとても優秀だが、その親(創業者= 会長)は強い経営力とカリスマ性を持っている企業である。この会長を事例に、今回まずは生い立ちと考え方についてお伝えする。

創業20 年を超えるくるま屋の創業社長の半生にはドラマがある

T社会長は、実家が自動車販売店を経営していた。しかし、経営は火の車で小学生の頃からアルバイトをしていた。高校卒業後は別の自動車販売店に就職し、数年後実家に戻ったが、家業を弟に譲り、会長自身は独立をすることになった。実家にいた当時、1 週間のうち日曜日だけで販売しても、1 人で1 ヶ月20 台以上販売出来たことで、独立後は在庫を持って中古車を販売することにしたが、当初はうまくいかず、県内の有力な企業の社長のかばん持ちをし、オークションなどのノウハウを吸収していた。10 年ほどかばん持ちをした後、中古車販売事業も軌道に乗り年間数千万円の利益を出すほどになる。

本業を好調にするからこそ様々な投資ができる

会長は本業の中古車販売店が好調に利益を出す中、節税と教育の両方をかなえるためにも、様々な投資を行った。パーツ販売や整備強化、レンタカー、研修なども全て節税の一環として行っていた。パーツ販売の多店舗展開を急いだため、本業の中古車販売の業績が落ちるのを経験したことで、ひとつに絞って強く着実に伸ばさなければならないと思い、その後決して中古車販売店は多店舗展開していない。そういう経験と決断があったことで、1 店舗でも、既に年間1,000 台以上販売し、車検も2,000 台以上販売するお店になっている。

だからさらに節税をする必要が出るというサイクルにうまく合致している。

お客様を大切にすることが全てを幸せにする

会長は常にお客様を大切にしている。不安定な経営をしている企業の社長や社員だけが満足している企業はないと言う。お客様の支持を得て初めて、経営が安定し、社員が満足するのだそうだ。そして、お客様には常に会社が改善していると実感してほしいからこそ、4 年に1 回は必ず大きな事業変化を起こし続けている。1度大きな投資や事業をして20 年も変化がない企業ではお客様に飽きられるという考え方である。お客様を大事にし、業績を伸ばしている企業があれば、自動車関係の企業に関係なく学び、勉強し、真似て自分のものにするという意識が根付いている。

多くの後継者は自分の理想を前面に出し、さらに失敗を非常に恐れる傾向にあるが、創業社長は常に経営の中で、様々な物事を判断していることが多い。その中での小さな失敗は大目に見ている。だから成功し続けるのだろう。

次ページはT社の経営・教育手法についてお伝えする。

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