船井総合研究所
アドバンスクラブでは、大きく変化するアフターマーケットに対応すべく、新たなビジネス展開や実践活動を通じて車検・整備等販売手法を研究するマーケティング部会を発足させ、昨年半年間をかけて研究を重ねてきた。ここではその締め括りとして、部会をまとめてきた船井総合研究所の小平勝也氏が交流会で行った講演の一部を紹介する。
我々中小整備工場にも業績の上げ方というのは必ずあります。整備工場の業績アップの優先順位の中で、大事なのは客数アップです。しかもその中で最も大事なのは、離れていく既存客を防止することです。
管理名簿数で分けますが、管理名簿数が月に70 件までの整備工場、月に150 件ぐらいの工場、200 件ぐらいの工場、350 件ぐらいの工場というように段階を敢えて分けていくと、そのリストを誰が管理しているのかも、また、どんな対策を取るかもそれぞれ変わってくるかと思います。
一方で、規模が大きくても小さくても、やってみてはどうですかという基本戦略があります。それは次回車検の予約制度です。自社で車検を受けていただいたら、出庫と同時に「次回、2 年後もウチで車検を受けていただけますよね? 予約してくださいね」とお願いする。これは難しいことではないはずです。
もちろん、お客さまによっては、「そんな2 年後なんて分からないよ、買い替えるかも分からないからね」とおっしゃるかもしれません。でもそうすると我々の中に何がインプットされるかというと、「あ、このお客さん、2 年以内に買い替えるかもしれない」ということです。
仮にそうだとしても、「お客さまいいですよ。それでもウチで予約だけしてください。無料でできますから。キャンセルする時には電話1 本くださいね」とすれば、買い替える時には必ずお客さまから電話をいただけます。このように、2 年後の予約を取っていくという取り組みをするだけで、実はお客さまから色々な情報を引き出せる可能性が高いのです。
そして我々の内側にもメリットがあります。お客さまに最近どうですか? と電話をする、ハガキを送る。その際に、ハガキであれば「当社で車検を予約していただいているお客さま、おクルマの調子はいかがですか? そろそろ点検の時期ですよ」などと書くと思います。もうお客さまはウチに囲い込まれているお客さまだという印象づけをずっとすることができます。こういうお客さまは離れていきません。
電話をする時も同じです。「お客さま、おクルマの調子はいかがですか?」そして、切り際には必ず言います、「お客さまはウチで車検を予約いただいていますよね。来年(あるいは再来年)の○月○日お待ちしております」と言って電話を切ればいい。お客さまはずっと我々の工場と紐付けになっているという感覚を持ち続けていただけます。
これは規模が大きくても小さくても、やったらやったなりの効果が出てきますので、ぜひこの取り組みを車検入庫活動の中心におきませんか? <一部抜粋>
株式会社船井総合研究所
東京経営支援本部 第一経営支援部長
上席コンサルタント 小平 勝也氏