経営サポーター活用術
質問、時期外れの慶弔休暇について
当社では結婚した時や近親者の葬儀があった場合に、その内容に応じて1~5日の有給もしくは無給の慶弔休暇を与えています。就業規則にもその旨は記載していますが、1年以上前に再婚した従業員が今頃になって慶弔休暇が欲しいと言ってきました。会社としては応じたくないのですが、就業規則の変更が必要ですか。
解答、 就業規則に、休暇の取得期限を定めることが可能です。しかし、念のため「不利益変更」にはご注意ください。
年次有給休暇や産前産後休暇といった法定の休暇と違って、慶弔休暇は会社が独自に設定、運用する休暇です。つまり、有給とするか無給とするか、どういった事案に何日分与えるか等、自由に定めることが可能です。もちろん「事案発生から○ヶ月以内に取得すること」というルールを設けることも事案ごとに期限を設定することも差し支えなく、就業規則に定めれば有効になります。
ただし、ご注意いただきたい点として「就業規則の不利益変更」というものがあります。一方的に、従業員にとって不利益な変更をしては無効とされる法律的な決まりです。何故、取得期限を設けるのかという理由(例えば、慶弔休暇を与える主旨や目的、それを達成するために必要な措置であることなど)を従業員にご説明ください。
賃金の引き下げと比べれば不利益の度合いとしては、かなり小さいものでしょうから理解は得やすいものと思われます。
原田 博実(はらだ ひろみ)株式会社エフアンドエム取締役 (JASDAQ4771)
MBA 経営学修士/関西学院大学大学院 経営戦略研究科 修了
関西学院大学特定プロジェクトビジネスマイニングセンター
客員研究員(2007 年~ 2011 年)
主な著書 「スバルだより」(富士重工/ 2011 年より連載)
「整備戦略 経営特集号」(日刊自動車新聞社)
「財務諸表” 寝かせ読み” 速読法」(アスキー新書/ 2010 年)
「“クルマ屋” 経営塾」(日刊自動車新聞社/ 2011 年)