ジョイカルジャパンに学ぶ車検獲得のヒント
シリーズでお伝えしている車検を考える
[contact-form-7 id=”2454″ title=”シリーズ車検を考える”]今回は「整備なくして販売なし」と語る車販グループの一つである㈱ジョイカルジャパン(中村靖弘社長)。車販のエキスパート集団が考える、車販の先にあるものとは? 編集部取締役、石川竜平がジョイカルジャパンの魅力から今後の整備業界、車検獲得のヒントを伺ってきた。
中村 我々は「整備なくして販売なし」という考え方を持っており、加入している会員も認証工場の資格取得をしているところだけです。整備工場は、一般整備や車検だけでは色々と厳しいということが、現実的にもう起き始めているのではないかと思っています。さらに、整備・車検ということになると、今まで手がけていなかった大手自動車用品店やSSなどの資本力を持った企業が参入してくることが考えられます。
そうなると、いくら地場で長く営業してきても、現実として車検チェーンなどのグループに入っていない方々は、これから厳しい時代に入っていくのは間違いないと思います。我々は販売がメインではなく、整備を中心にして、「整備なくして販売なし」という考え方ですので、アフターサービスがきちっと出来る状態にあって初めて、クルマを販売しなければならないのです。販売をしてから、整備を頑張ろうというのは難しい。お客さまはよく見ています。
ですから、そういうところをしっかり押さえていけば、マーケットを押さえていくことにつながります。そういう考え方を持って、中古車ではなく、新車というカテゴリーの中でしっかりとお客さまを掴んで顧客にしていく。そうすれば、当然ですが、初回車検も入ってきやすくなります。必ずではないですが。
しかし、一番大事なことは、売るだけで3年後にお客さまが入ってくるかというと、実はそうではないということです。定期点検なのです。6 ヶ月ごとの定期点検で、最低年2回はお客さまに来店してもらうようにすることが重要なのです。
ジョイカルパック
お客様の大切なクルマを最長で5 年間保証。次に車検を迎えるまでの、メンテナンスとのパックでリーズナブルな価格で提供するジョイカル人気のサービス。他店との差別化で、信頼度のアップを狙えます。6ヵ月~最長5 年の保証で、お客様に安心感を与えることができます。
24 時間対応、365 日受付のロードサービスが受けられます。クルマの故障について、全国指定工場ネットワークがサポートするから遠方へのお出かけの際にも安心感があります。
石川 私も整備工場を取材などで回っていますが、地域密着でイベントを開催して集客や来店促進につなげている会社もありました。しかし一部では顧客を掴む重要性に気付きながらも実際には動いていない会社もあり、どうしたらいいか分からないといった意見も良く聞きました。
中村 そうですね。まず一番は、川上に立つなら新車販売です。中古車ではないのです。中古車がダメというわけではなく、確率論として新車を販売していこうということです。新車を買っていくお客さまは、メンテナンスパックを付けやすいのです。保険も他社から入れ替えてくれやすいです。
これは当たり前の理論です。中古車を欲する客層と、新車を買う客層の経済的なゆとりが違うのです。新車販売で需要が高いのが、ガラスコーティング系のサービスで、付保率も非常に高いです。コーティングサービスをオススメして、付けてくれる率は高いです。加盟店の中には7 ~ 8割取れているところもあります。見ている中では、半数近くの会員が、ボディコーティングの案内をしっかり実行しています。それが、一番利益率が高いのです。
新車、Nboxクラスの商材だと、原価は6,000円から7,000円くらいで、私みたいな素人であっても、1時間半くらいの作業時間で出来てしまいますが、頂いている工賃はいくらかというと、5万円ですよ。これだけレバレートの高いものが他にあるかというと中々ありませ
ん。コーティングも、コーティングしただけで終わりではいけません。我々がジョイカルパックの中にコーティングサービスを入れている理由として、半年ごとの定期点検の時に、しっかりコーティングのメンテナンスもして差し上げるという料金も含めているのです。そうしたことをしていけば、ユーザーからの信頼は少しずつ上がっていきます。私が声を大にして言いたいのは、「車検を取ろうと思うのではなく、一般整備をどのように増やすかを考えて欲しい」ということです。
一般整備が増えていけば、自動的に車検は入りやすくなります。そうした積み重ねが車検につながるのです。色々と車検の安売りのチラシなども入ってきて、お客さまの心が揺れる可能性は当然あります。たしかに、高すぎれば来ないかもしれませんが、適正な価格でやっていけば、自社に持ってきてくれる可能性は高くなります。極端に安い店が近場に出来たからといって、そこの金額に合わせなくても、しっかりやっていれば、きちんと来てくれるのだということです。ただ、メンテナンスパック無しで売ってしまっていると、金額で比
較をされて、安い方に行ってしまうお客さまも出てきているということは現実としてあります。私の考えとしては、やはり一般整備をやって欲しい。
車検はお客さまを作れる一つのきっかけであり、ビジネスチャンスではありますけれども、その手前のところで一般整備をどのようにして取り込んでいくかということを、しっかりと考えてやっていかなければいけないと思います。
石川 取材時に意識の高い工場を見ると、本当に色々なことにチャレンジをしています。車検、車販、整備、鈑金と整備業界には様々なメニューがあります。一方で整備自体がSSや量販店にお客さまが取られているということもあると思います。共にお客さまが行きやすい環境を作っているということは、素晴らしいと思います。SSは必然的にガソリンを入れに行きますので、来店頻度は高いです。通勤途中や休日、お客さまが訪れた時に、「車検が出来ます」とか「オイル交換しましょう」とか色々と提案したら、「折角だからやっちゃおうか」ということになりかねません。定期的にお客さまに来てもらう手段、自社のお客さまに対して自社の立ち位置を認知してもらうことが整備工場には必要だと考えています。
中村 そうですね。そういうところに気づいて、ある程度の投資をしていかないと、今後は厳しいですね。やはり、瞬間で物事を捉えてはいけませんね。答えは簡単で、自分がお客さまであったら、どういう所に行くのかということです。
石川 メーカーでテレビCMを流しているので、一般ユーザーにもディーラーは認知してもらいやすいと思います。「クルマを買うならば、ディーラーだ」と、何も知らない人はそういう風に考えてしまう風潮もありますね。
中村 そうですね。そこは、やはり新車からお客さまとの付き合いというものを考えています。我々も今何をしているのかというと、売った後にこういうことを当たり前にやっていかなければいけないことばかりです。これは皆さんが絶対自分でやらなければいけないことなので、我々のシステムを使ってやってもらいます。朝、会社に来て、パソコンを開くと、「今日はAさんが3日後にお誕生日を迎えるの
で、バースデーカードを送って下さい」とか、「そろそろ1 ヶ月点検の時期なのでDMを送って電話をして下さい」とか、6 ヶ月点検でも12 ヶ月点検でも、パソコンを開いてボタンを押せば、そういうことが分かるシステムです。と同時にお客さまに対してマイページというお客さま一人一人にホームページを渡して様々な機能が見られるようになっており、こちらも好評を得ております。
しかしこのシステムはメンテナンスだけでも1カ月で大きな金額がかかってきます。会員のサポートも人件費がかかってきています。しかしジョイカルに加盟しているメリットというのはシステムや入庫促進のサポートなどといった自社だけでは出来ないところにあると考えて頂きたいのです。現在の加盟料は一か月10万円、車販で売れた場合には車両価格の1%を頂いている形になりますが、どんなに大きなディーラーであったとしても、このようなシステムやサービスをやっている所はありません。明らかに他社との比較になります。
石川 それを自社だけでやろうとすると、とても大変な労力になりますからね。今何かを調べるとなるとインターネットで調べることが主流となっており、一般のカーユーザーは、車が壊れたからといって自分で直すかというと大多数は修理工場などに頼むのがほとんどだと思います。本来買った所に戻るのがスマートで、それをジョイカルでは徹底的にサポートしてくれるのですね。
壊れた車を直すのに飛び込みで知らない工場に入る確率と買った所に持ち込む確率で言うならば圧倒的に後者が多いはずです。
中村 古くから地場でやっている修理工場であっても顧客管理が出来ていない場合もあり、自社の車販をしたお客さまの整備をしている割合と車を売っていなくて整備をしている割合を出してもらうと、整備をした車の内5%しか自社で売った車がなかったというデータが出ました。逆に車販をメインにしている所は90%以上が入庫=自社で売った車となっております。この5%の整備工場はチャンスが95%も残っているのです。いつかは新しい車を買うだろうし、それから先の整備もあるだろうし、それだけ宝が眠っているのです。しかしそのお客さまが、いつ車を買い替えるかは分かりません。そこに対してアンテナを張り続けるのは自社だけではなかなかカバーしきれません。細かくDMを出したり電話をしたりといったことは完全には出来ていないでしょうから、「ジョイカルの方でやります」と現在実施しているのです(別途有料)。一度来たお客さまは初見の店に比べて行きやすくなります。そういった既存のお客さまに対して「ウチは
車販をやっている、車検をやっている」という継続的な働きかけをジョイカル本部で代行してお客さまにアプローチすることで加盟店の入庫促進、顧客獲得に繋がっていくのです。
石川 車屋に来る方というのは顕在的に「車が欲しい、修理をして欲しい」というニーズがありますが、どれだけ「整備を取る、車販を取る、車検を取る」といったチャンスを取りこぼさずに出来ているか、どれだけお客さまをカバーいるかを数値に出してもらえれば、見込み客というものが見えてくるはずです。お話の中に出ている集客の部分を疎かにして潜在的なニーズを掘り下げて行くことが出来ない工場は淘汰されていくと考えています。
中村 確かに、体力のある工場であれば独自の路線でいけますが、零細規模で顧客獲得を疎かにしていく工場はいずれ減っていくと我々も考えております。新たな策を打てない、後継者がいないなどといったところは退場せざるを得ないと思います。量販店のように体力のある所が認証工場化しているのも看過できない状況にあるのが現在の整備業界だと思います。
新たな試みとして最近では女性目線で「ジョシカル」というホームページで会員内改善を見せております。本部としての会員に対して改善の提案は義務であるので、色々と提案はしていきます。小さい努力などもピックアップして行って、それが会員全体の改善になっていけばと考えております。
我々の考えは15分圏内のマーケットをいかにして耕していくか、ということに重点を置いて地域密着で自社商圏内の自動車をトータルでカバーできるビジネススタイルを構築出来ればと考えております。
新車を半額で売るというのは入り口でしかなく、その後の整備や車検というのが整備工場の生き残る道のチャンスといているジョイカルジャパン。車検を伸ばす大きなヒントはここにもあった。
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