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社会保険労務士内海正人の労務相談室 パワハラでうつ病になったと 言われた時の対応について

久々に新卒採用した新人メカニックから「工場長のパワハラが原因でうつ病になりました」と相談を受けた。面倒見のいい工場長と知られるだけに、まさか!の思いが強いのだが、どう対処すればよいのだろうか?

回答

うつ病を代表とする精神疾患の問題は、多くの会社で悩んでいます。「精神疾患と思われる社員に対する対応の方法」「休職させるまでの対応」「復職の判断」などで、悩みのポイントも数多くあります。
また、「仕事が原因でうつ病になった…」として話がこじれるケースがよくあるのです。その際に社員から出てくる言
葉として「無理な仕事を押し付けられた」「上司からひどいことを言われた」「上司の無茶ブリが度を越している」と、パワハラが原因と主張される場合が本当に多いのです。
しかし、社員側からの意見を鵜呑みにすることはできません。客観的な視点で検証する必要があります。ですから、まず考えられるのが、仕事が原因でうつ病などの精神疾患になる場合、過重労働が影響すると考えられています。そのため、労災認定基準では「残業時間が何時間なのか?」がポイントとなっているのです。

業務の過重性の根拠となる労働時間については以下のようになっています。

〇 脳、心臓疾患に関する労災認定基準
(平13.12.12基発1063)
〇 精神障害に関する労災認定基準
(平23.12.26基発1226.1)
この基準は、発症前1 ヵ月の残業時間が目安となっていて、160時間、120時間、100時間、80時間を超えるかどうかが目安となります。
〇 1 ヶ月の残業時間が160時間を超えていたら、それだけで業務が原因と判断される
〇 2 ヵ月連続して120時間を超えた場合、または3ヵ月連続して100時間を超えた場合は、別の私的な原因が無ければ業務が原因と判断される
〇 1 ヶ月80時間を超えた場合は、他の要因(ハラスメント等)と総合して業務上と判断される

ですから、精神疾患等と疑われる社員が出たり、「仕事が原因で精神疾患になった」と主張してきた社員が出たら、まずはその人の残業時間がどのぐらいであったのか?を把握する必要があります。そして、その際に、プラスの要因である「セクハラ、パワハラ等のハラスメントが存在したのか否か?」を調べるのです。この調査については、会社でハラスメントに対する予防、発生時の対応等を事前に決めておき、体制を作っておくことがおすすめです。

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