総合ハンドツールメーカー京都機械工具株式会社(京都府久御山町/代表取締役社長 宇城邦英、以下KTC)は、創業記念日である8月2日に国内唯一の工具ミュージアム「KTCものづくり技術館」内に「nepros museum360°(サンロクマル)」をオープンしたことを発表した。
● neprosとは
1990年初頭、KTCが自動車メンテナンスのプロフェッショナルに向けた世界一のハンドツールをつくることを決意し、5年の歳月をかけて生み出したのがnepros(ネプロス)シリーズ。それぞれの工具の本質機能を徹底的に洗い出し、KTCが考える理想の工具の追求を行った上で、世界中の競合他社製品を徹底的に検証し、素材、設計、製造技術、工作精度など技術の粋を結集し自分たちの理想の形を具現化した工具である。
● nepros museum 360°
ミュージアムのコンセプトは「ネプロスを全身で感じる(感性)ライブ空間」。
コンセプトの通り参加者の感性を刺激し、「これでもか!」というくらい全身でネプロスを感じられる空間になるように、随所に工夫が凝らされている。まずはミュージアムの構成について紹介しよう。エリア数は入り口通路を含めると7つに分かれており、奥に行けばいくほどネプロスを楽しめるようになっている。またガイドがつくため、展示以外の情報や分からないこともその場で教えてもらうことが出来る。
● 入場口~ネプロスの小路
まず案内されるのが何の変哲もない扉。写真を見て分かる通り、案内されなければ従業員用の部屋かと思うだろうが、実はここがnepros museum 360°の入り口となる。これは「これから別空間へ入る」ということを意識して、入館時によりギャップを感じてもらえるよう、あえて壁に寄せているという。扉を特製のラチェットハンドルで開けるとネプロスの小路がお出迎えする。ここからは先程の「白」とは対照的な「黒」の空間が続いていく。
小路とある通り、内部は京都をイメージしたものになっており、壁の装飾、ライティングにも意味が込められている。また小路を進むと見えてくるのが、漆細工が美しいネプロス達。こちらに展示されるのは、このミュージアムでのみ見ることができる特別なもので、工具というよりは美術品と表現した方がしっくりくる美しさだ。
● こんなところにネプロス
このエリアはネプロスが実際にどのように使われているかを、映像で知ることが出来る場所になっている。映像では実際にネプロスを使用している2チーム、WRCに参戦しているTOYOTA GAZOORacing、国内ロードレース選手権におけるカワサキのトップチームであるTeamGREENが登場し、プロフェッショナルがどのようにしてネプロスを使用しているかが感じられる。
このエリアではネプロスの真髄を徹底解剖。4つのブースから成り、それぞれのテーマに沿いながら実物を交えて紹介している。
4つのうちの1つ「ネプロス誕生前」を少しだけ紹介しよう。このブースではネプロスが誕生するきっかけになった出来事や開発経緯、さらにネプロスの前身となるアイテムなど、ネプロスの誕生秘話を存分に堪能することが出来る。この他のブースも「解体新書」の名に恥じない詳細な情報が得られるので、メモの用意を忘れないようにしたいところだ。
● ネプロスシアター
このエリアでは壁一面に投影される映像から、ネプロスの製作過程を観ることが出来る。本来は社外秘の情報だが、ここでは特別に公開されている。
内容はただ製作過程を公開するのではなく、一つの鋼鉄に魂を込める製作者の想いが伝わってくる内容になっている。また「ネプロス解体新書」での知識を持って観ることにより、ネプロスの製作過程を追体験することが出来るような構成になっている。
● ネプロスに触れる
このエリアではネプロスを実際に体験することが出来る。ミュージアムの前半でネプロスに関する多くの知識を得た上で、実際に様々な工具を使ってみることにより、より深くネプロスを知ることが出来るようになっている。またここでは、工具に触れられるだけではなく実際のエンジンなどが用意されており、ネプロスのクオリティだけではなく工具そのものについての理
解を深めることが出来る。
● ネプロスに包まれて
このエリアでは全てのネプロスを観ることが出来る。現在約900種類あるネプロスが2つずつ展示されており、約1,800個のネプロスに囲まれるという他では得難い体験をすることが出来る。ここの展示方法にも独自の趣向が凝らされており、工具を観るだけではない楽しみが隠されている。またこの部屋にはミュージアムの名前にもなっている360°カメラが設置されており、希望者は360°ネプロスに“包まれた” 画像データを貰うことが出来る。※画像受信用アプリケーションが必要
● ネプロスライフ
このエリアではネプロスのコーディネートについて学ぶことが出来る。今更ではあるが、大前提としてネプロスは工具である。しかし工具としての機能と性能だけではなく、見た目の美しさも兼ね備えている。そんなネプロスを、引き出しなどに収納するだけではなく、インテリアとしても映えるようにする方法をこのブースでは展示している。展示内容は定期的に入れ替えられるため、定期的に足を運べば自分にあったコーディネートが必ず見つかるだろう。
● 展示以外にも大きな魅力!
1つはカスタマイズラチェットハンドル。事前に希望すれば、なんと自分だけのネプロスのラチェットハンドル「NBR390」を作ることが出来る。また作成コースもチャレンジャーコースとマイスターコースに分かれており、マイスターコースでは90枚ギアの組み付けもすることが出来る(参加金額:13,800円)。
2つ目はソケットのプレゼント。なんと参加者全員にネプロスディープソケット(六角)がプレゼントされる。またソケットの刻印がnepros museum360°限定のものになっており、ファングッズとしても嬉しい一品だ。展示内容、プレゼント共に500円では到底収まりきれない魅力の詰まった本ミュージアムに、是非足を運んでみて欲しい。