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MSC 経営戦略会議 第41回定時総会 第117回研究会

全国の有力自動車整備工場が集まり、自動車整備業の勝ち残り策を研究、発表するMSC経営戦略会議(山崎 太議長)は、去る6月12日・13日に、第41回定時総会並びに第117回研究会を開催した。初日は定時総会の後、㈱バンザイ 営業情報企画部の長谷川忍次長を講師にASVに関する講演が開かれ、2日目は神奈川県藤沢市のいすゞプラザを見学した。

山崎 太議長挨拶

整備工場はガソリンスタンドと同じように減っていくと私は思うのですけれども、保有台数の減り方と整備工場の減り方を考えると、私は整備工場の方が速く減っていくと思っています。

整備工場の減少速度が速いと考えた時に、逆に1社当たりのお客さまが増えると思います。そうなった時に対応できる工場と「お客さまがいっぱいいても忙しいから、ウチはいいよ」と対応でき(し)ない工場、お客さまにとってどちらがいいかというと、当然受け入れてくれる工場の方がいいわけです。

ということで、いつそうなってもいいように、当社では外国人実習生を受け入れる体制を取っています。当社では昨年の11月にフィリピンから2名を受け入れました。元々車に携わってはいたということで、抵抗はないのか、かなり良い戦力になっています。今後5年間は自動車業界もそういう傾向になっていくのではないかと思います。

 

整備業界の動向とこれからの車両整備
~故障診断機の活用とASVへの対応~
株式会社バンザイ 営業情報企画部 次長
長谷川 忍 氏

 

整備業界の動向(行政の動き)
まず、行政の動きはどうなのかということで、国交省では今、「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン」といったものを立ち上げて、色々なことを検討しております。

この中身は5つほどありまして、大きく分けると2つでして車両の高度化への対応、そして情報の電子化(ビッグデータ)と活用です。詳しく見ていきますと1つ目は、「安全OBDに対応したスキャンツールの共通化」を通じた次世代自動車等の安全使用の推進です。
自動ブレーキですとか、自動追尾という機能が普及してきています。その一方で電子装置の不具合によって、色々と事故が起きているという報告もありまして、車検時に法定スキャンツールを使って自動車メーカーが指定する特定DTC、故障コードのことなのですが、これが確認された際は、しかるべき整備をしないと検査に合格できないようにしようということです。
どういう車が対象なのかと言いますと、2021年以降の新型車両(乗用車、トラック、バス)が対象です。実際の検査は、これらの車が市場に出てからの2024年以降ということですが、車検時にスキャンツールを使う時代が間違いなくやって来ます。

行政の動き2 つ目ですが、「テレマティックス等を活用した新たな保険サービスによる安全運転の促進・事故の削減」です。テレマティックス保険とは、運転者の運転状況を遠隔で確認して、急ブレーキや急発進など危険な運転をする方には保険料を高くして、安全運転をされる方には保険料を安くしましょうという考え方です。
運転者の運転状況をスマホから読み取ったり、ドライブレコーダーのようなものを装着して読み取ったりと、実際にこういったものが推進されてきますと、保険の売り方が変わってくると思います。

行政の動き3つ目は、「自動車の履歴情報を収集・活用したトレーサビリティー・サービスの展開による自動車流通市場の活性化」が考えられています。車が生産されて廃車になるまで色々な方が乗り継ぐケースがあります。
車の整備履歴や事故履歴、修復履歴といったものを海外では、有料なのですけれどもその車を買いたい人が閲覧できる仕組みがあるのです。

日本でもそういったものを導入していこうということが、検討されています。メーターの巻き戻しや、展開しているエアバッグを直さずにそのままフタをして売ってしまう悪質な業者もいるそうなので、そういった不正行為をなくすべく、その車の修復履歴を流通の中で、明確にしていきましょうということです。
その一環で、分解整備記録簿が電子化されていく可能性が大きいです。ワンストップサービスの延長で、記録簿は電子化されるということがもう言われておりますので、間違いなくこういう方面にも流用されていくと思います。

そして行政の動き4つ目、「検査と整備の相関分析等を通じた検査・整備の高度化・効率化」です。国としては検査や整備の情報を、どんどん吸い上げてどのメーカーのどの車に不具合が発生しているか、ということをいち早くキャッチしようという考え方です。

そして行政の動き5つ目としてワンストップサービスがあります。これは既に展開がスタートしています。まさにこれは電子化の一端です。
なぜこのようなことをやっているのかと言いますと、たぶん色々な情報を収集するのと同時に、どの車が車検を受けているかと確実に管理していこうということだと思います。

何かと話題のエイミングのポイント
ASVへの対応でカギを握るエイミング作業のポイントとしては、技術情報の収集、作業環境の整備、使用機材の校正と管理、そして何よりもどこまで整備をやったのかという整備履歴の管理も大事だと思います。私どもも全国の運輸支局の専門官と情報交換をさせていただいておりまして、エイミングの話もしています。
完成検査場でやってよい作業は規定されていますが、エイミング作業は大丈夫か確認を取ったところ、問題ないとのことでした。「ただし、その時は一般整備としてやっていると表示はしていただいた方がいいですね」とも付け加えていらっしゃいました。

今、ディーラーでもエイミングを毎日やらなければならないといったように、結構大変な状況になっているようです。外注に出されている方の話を聞きますと、下手をすると1 ヶ月ぐらい帰ってこないそうです。
その間、代車を出す必要もありますし、お客さまも「何で1 ヶ月も帰ってこないの?」となりますよね。ですから今から徐々にで結構ですので、内製化された方がよいと思います。
エイミング作業はだいたい2万円から3万円の価格設定でやられている方が多いです。まだやっている所は少ないので、「ウチはエイミング屋さんです」と掲げるのも一つの手段かと思います。

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