特定非営利活動法人日本自動車リサイクル事業連合(理事長:髙橋 敏 以下 JARA)は5月26日に令和2年度、第17回通常総会を開催した。未だに新型コロナウイルスの脅威が収まっていない中、オンラインでの開催となった。新規入会会員を含む正会員54社のうち、39社(委任状含む)が参加した。
今総会の主となる第18期(2021年度)事業計画では下記の4案が議題に上がり、全て認承・可決された。
1 会員企業の活動状況、海外との相互情報発信
2 入会、退会等、運用方法の見直し
3 日本語版自動車リサイクルテキストを電子書籍化
4 海外からの研修生受け入れ体制の関係各地との連絡構築
その中でも特に焦点が当たったのは4の海外からの研修生受け入れに関する事業計画案。
現在、世界的にもSDGs等のグリーン・エコノミーが叫ばれ、限りある資源を有効活用する自動車リサイクルの価値も高まっている。
しかし、自動車“整備”業に関しては外国人技能実習制度の対象職種となり、受け入れのガイドラインもできているが、自動車“リサイクル”業に関しては対象の職種になっておらず、ガイドライン等も存在しているとは言い難い状況である。
そのような状況を変えるため、他団体とも連携しながら海外からの自動車リサイクル研修生を受け入れる体制構築を図っていくとした。
また、2020年度の活動報告では、ベトナム語「自動車技術用語辞典」の取り扱い開始について報告された。
こちらは外国人技能実習制度等により、外国語の自動車関係用語に関する需要の高まりを受けて、JARAの副理事長である郷古氏監修の下製作されたもので、会員だけではなく、会員外の事業者や、自動車整備業、自動車部品販売関連業界等々、多方面から問い合わせがあるとのこと。
今回の総会では特に「コミュニケーション」がキーワードになっていると感じた。コロナ禍で対面での直接的なコミュニケーションが制限された結果、新しいコミュニケーション方法が模索、活用されるようになった。
例えば、詳しく取り上げていないが、昨年度のJARAの活動報告ではHPのリニューアルやニュースレターの創刊も報告されている。こういった活動もコミュニケーションの一種であり、コロナ禍で少なくなってしまったコミュニケーションの機会を補うことのできる手段だ。
世界中が大混乱となったコロナ禍という変化に対して、迅速な対応を見せたJARAの本年度の活躍にも期待したい。