NGP日本自動車リサイクル事業協同組合(本部:東京都港区、理事長:佐藤 幸雄、以下 NGP)は、LCA日本フォーラム(事務局:東京都千代田区、会長:山本 良一)が主催する令和2年度「第17回LCA日本フォーラム表彰」において、「経済産業省 産業技術環境局長賞」を受賞した。2月25日(木)東京都内において表彰式と記念講演が行われる。
LCA日本フォーラム表彰は、製品やサービスのライフサイクルから環境負荷削減に取り組む企業、組織、研究者を応援し、LCA(ライフサイクルアセスメント)※の普及を目的として2004年度に創設された表彰制度である。
※LCA(ライフサイクルアセスメント):部品を生産する時に発生するCO2だけではなく、部品を作るための資源採掘から、原料生産、部品生産、使用、処理までライフサイクル(生涯)、アセスメント(評価)する手法のこと。
NGPでは、自動車リサイクル部品が環境にやさしいことの根拠を定量的に示すために、リサイクル部品の付加価値を高めて、利用するユーザーの環境貢献意識を向上させ、地球環境保護に貢献したいという思いから、2013年5月より「自動車リサイクル部品産学共同研究会」を立ち上げ、富山県立大学と明治大学との産学共同で「自動車リサイクル部品による環境負荷低減効果の研究」を行っている。
同研究では、部品を分解して調査した素材・重量のデータを元に、LCAの計算ソフトを使用して自動車リサイクル部品を活用した際のCO2削減効果の定量化を行ったことと、研究成果を活用して自動車リサイクル部品の普及・啓発に取り組んでいる。
【受賞の概要】
受賞名 :LCA日本フォーラム 「経済産業省 産業技術環境局長賞」
受賞内容:LCAを用いた自動車リサイクル部品のCO2削減効果の定量化と実用化~産学連携による研究と研究成果を活用した普及・啓発~
<LCA日本フォーラムホームページ>
URL: https://lca-forum.org/
【自動車リサイクル部品産学共同研究会について】
2013年5月より、富山県立大学工学部機械システム工学科 森 孝男特任教授、明治大学理工学部機械情報工学科 井上 全人准教授との自動車リサイクル部品を活用した場合のCO2削減効果値算出についての自動車リサイクル部品産学共同研究会(座長:NGP技術顧問 藤田 光伸)を開始した。
2016年4月に記者会見を行い、それまでの研究成果を公表し、同時に専用のホームページ「NGPエコプロジェクト」を開設し、ホームページ上にて研究成果を公開している。公開された研究成果の学術使用は自由としているため、利用に関することは、問い合わせを。
<NGPエコプロジェクトホームページ>
URL: https://www.nepp.jp/
研究はCO2削減効果を一度算出して終わりではなく、部品の調査対象を増やしたり、素材や製造フローの変化など、時代に合ったCO2削減効果を算出していくことが求められる。研究は現在も継続しており、2021年2月までに77回の勉強会と、19回の工場調査を実施した。
2019年10月には、研究成果をもとに、2030年のSDGs達成に向けて目標を掲げた。研究とSDGsを紐付けた「NGP SDGsモデル」としてホームページやSDGsレポートで発信し、NGPのリサイクル部品が使用(販売)されることで削減されたCO2の量を毎月ホームページ及びNGPニュースで公開している。
また、研究成果をもとに、NGPのリサイクル部品が使用されることで削減されるCO2量に応じて、「瀬戸内オリーブ基金」(自動車リサイクル法制定の契機となった、不法投棄事件が起こった香川県豊島の環境保全・再生活動を行うNPO法人)に寄付を行い、NGPとしても豊島の環境保全・再生活動に取り組んでいる。
【今後について】
産学共同研究については、SDGsの目標達成に寄与すべく、前述のように部品の調査対象をさらに増やし、NGPの販売する自動車リサイクル部品全てのCO2削減効果が算出できるように、今後も継続していくとしている。
時代も車の素材や構造も目まぐるしく変化する中で、時代に合ったCO2削減効果の算出や、将来的には製造から廃棄に至るまでLCAを用いて評価し、リサイクル事業者の環境貢献度を示していきたいと考えている。
また、研究成果やそれを活用したSDGsへの取組みによって、リサイクル部品のさらなる普及はもちろんのこと、リサイクル事業者の社会的意義・従業員満足度の向上、経営環境の健全化などの波及効果を生み出すことを目指し、引き続き持続可能な循環型社会の実現に貢献していく構えだ。