資源マーケット情報　2020年12月

鉄スクラップ

鉄スクラップの12月市場は、海外市況の続騰を受けで、上昇局面が続き、炉前価格は4万円の高値水準まで上昇した。

東京製鉄では、急ピッチでの炉前購入価格の上昇が続いた。12月1日からは、全工場で炉前価格のトン当たり500円値上げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも3万2,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも3万2,000円、九州工場は海上・陸上特級とも3万500円、宇都宮工場は陸上特級2万9,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万9,500円とした。

その後も、12月3日、5日、9日、11日、15日、17日、19日、22日、24日、26日と値上げが続いた。年末段階、田原工場は海上・陸上特級とも4万3,000円、岡山工場は海上・陸上特級とも4万1,500円、九州工場は海上・陸上特級とも4万1,000円、宇都宮工場は陸上特級4万3,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも4万1,000円となった。東京製鐵では、1月の製品販売価格を全品種で1万円の値上げ。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の12月10日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比8,105円値上がりの3万8,710円となっている。

海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、続騰局面となり、CFR470ドル台と前月比で100ドル以上も上昇した。鉄鉱石スポット価格も上昇、160～170ドル台まで高騰した。

粗鋼生産

11月の全国の粗鋼生産は、726万4,200トンで前年同月比15.9%減少となり、前年同月比をみると9ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は528万7,500トンで前年同月比7.5%減少、電炉鋼は197万6,700トンで同比1.0%減少となっている。前年同月比でみると、転炉鋼は9ヵ月連続の減少、電炉鋼は21ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属については、12月の銅地金価格は、本格的な上昇局面が続く状況となり、年初来の高値をさらに更新した。12月1日からは2万円上げて83万円とした。その後は、12月4日より1万円上げて84万円、12月11日には2万円上げて86万円とした。12月16日には1万円下げて85万円としたが、12月21日より2万円上げて87万円とした。

12月23日に2万円下げて85万円としている。年明けは、1月4日に1万円下げて84万円としたが、1月6日から3万円上げて87万円まで上昇した。

価格的には、2年5ヵ月ぶりの高値となった。コロナウィルスに対するワクチン開発期待、米国の追加経済対策、中国経済の回復、電気自動車普及による銅需要の拡大などへの期待感からロンドン銅地金価格は、1月7日（現地6日）には、8129.5ドルにまで高騰した。

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