資源マーケット情報

資源マーケット情報 2020年10月

鉄スクラップ

鉄スクラップの10月市場は、小幅な上下動は見られたが、大勢としては、様子見ムードが続いてきた。

東京製鉄では、関東地区の宇都宮工場においては、8月26日からのトン当たり500円値上げでの陸上特級2万6,000円の後、価格の据え置きを継続してきている。西日本地区では、2工場で炉前価格の引き上げが見られた。

10月21日からは、トン当たり500円の値上げがあり、岡山工場は海上・陸上特級とも2万6,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万5,000円とした。

さらに10月23日からは、同じ2工場において、1,000円の値上げがあり、岡山工場は海上・陸上特級とも2万7,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万6,000円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の10月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比964円値下がりの2万8,406円となっている。前月比では、値下がりとなったが、国内炉前価格などを上回る状況に変わりはなく、相場を下支えする材料となっている。

海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、値下がりとなったが、その後は上昇へと転じてきている。鉄鉱石スポット価格は、9月中旬には128ドル台まで急騰していた後は、10月は、115~116ドル水準まで下落している。日本からのアジア向け鉄スクラップ輸出市況は、小幅軟調となったが、底堅い状況となってきている。

 

粗鋼生産

9月の全国の粗鋼生産は、648万5,600トンで前年同月比19.3%減少となり、前年同月比をみると7ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は475万3,500トンで前年同月比21.6%減少、電炉鋼は173万2,200トンで同比12.4%減少となっている。

前年同月比でみると、転炉鋼は7ヵ月連続の減少、電炉鋼は19ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属については、10月の銅地金価格は、上下動が続く状況が見られたが、価格は年初来の高値を更新した。10月1日からは1万円上げて75万円とした。

その後は、10月6日より2万円下げて73万円、10月12日には3万円上げて76万円とした。10月15日には1万円下げて75万円とした。さらに10月21日より2万円上げて77万円とした。10月27日には2万円下げて75万円にしている。コロナ禍から先行きは不透明な状況となっている。

[再生資源市場]

1.価格動向

2020年3月2020年4月ボトム2020年6月ピーク
東京製鉄19,000円(3/28)18,500円(4/11)26,500円(6/13)
関鉄源輸出22,665円(3/11)20,656円(4/9)26,360円(6/10)
LME銅4,789.5ドル(3/25)5,034ドル(4/23)5,880.5ドル(6/26)
国内銅58万円(3/25)59万円(4/23)68万円(6/26)
2020年8月2020年9月2020年10月
東京製鉄26,000円(8/26)26,000円(8/26)26,000円(8/26)
関鉄源輸出27,216円(8/19)29,370円(9/9)28,406円(10/9)
LME銅6,603.5ドル(8/27)6,583.5ドル(9/24)6,953ドル(10/21)
国内銅74万円(8/27)74万円(9/24)77万円(10/21)

2.鉄鋼

2020年9月
粗鋼生産計648万5,600トン(前年比19.3%減)
転炉鋼475万3,500トン(前年比21.6%減)
電炉鋼173万2,200トン(前年比12.4%減)
小形棒鋼59万6,000トン(前年比12.4%減)
H形棒鋼27万1,200トン(前年比4.6%減)
9月新設住宅着工戸数7万186戸(前年比9.9%減)
2020年9月
粗鋼世界計1億5,635万9,000トン(前年比2.9%増)
中 国9,255万5,000トン(前年比10.9%増)
インド852万トン(前年比2.9%減)
韓 国583万1,000トン(前年比2.1%増)
台 湾160万5,000トン(前年比8.1%減)
ベトナム232万1,000トン(前年比45.3%増)
トルコ322万5,000トン(前年比18.0%増)
アメリカ570万8,000トン(前年比18.5%減)

3.電炉製品

東京製鉄(10/19)
異形棒鋼(D13~25)61,000円(前月比 横ばい)
 H形鋼(中巾)81,000~87,000円(前月比 横ばい)

 

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