資源マーケット情報2020年9月

鉄スクラップ

鉄スクラップの9月市場は、月前半までは、輸出市況の上昇局面から先月に引き続き強気ムードとなったが、後半は輸出市況の軟化などからピーク感が台頭してきた。

東京製鉄では、8月26日より全工場で炉前購入価格のトン当たり500円値上げがあり、田原工場は海上・陸上特級とも2万5,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万5,500円、九州工場は海上・陸上特級とも2万6,500円、宇都宮工場は陸上特級2万6,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万4,500円とした。

関東地区では、宇都宮工場は、この後、9月においては、炉前購入価格を上げることなく据え置いてきた。9月10日より田原工場は炉前購入価格を500円引き上げ海上・陸上特級とも2万6,000円とした。

さらに、9月15日より2工場でトン当たり500～1,000円値上げがあり、田原工場は1,000円値上げで海上・陸上特級とも2万7,000円、九州工場は500円値上げで海上・陸上特級とも2万7,000円とした。

国内炉前購入価格の上昇を受け、電炉製品販売価格も値上げとなってきている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の9月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比2,154円値上がりの2万9,370円となっている。こうした輸出価格の上昇は、市況面においてプラスの影響を与えるものとなった。

海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、CFR301～302ドルに上昇したが、9月末までに292～295ドルに反落してきた。

鉄鉱石スポット価格は、9月中旬には128ドル台まで急騰していたが、その後は115ドルまで下落している。こうした海外市況の反落のもとで、日本からのアジア向け輸出価格も軟化に転じてきている。

粗鋼生産

8月の全国の粗鋼生産は、644万6,000トンで前月比6.6%増加、前年同月比20.6%減少となり、前年同月比をみると6ヵ月連続の減少となった。

粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は489万4,800トンで前月比10.9%増加、前年同月比22.9%減少、電炉鋼は155万1,200トンで同比4.9%減少、同比12.2%減少。前年同月比でみると、転炉鋼は6ヵ月連続の減少、電炉鋼は18ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属については、9月の銅地金価格は、上下動が続く状況が見られたが、価格は高水準を維持してきている。9月1日からは1万円上げて75万円としている。その後については、9月4日からは1万円下げて74万円、9月8日には2万円上げて76万円としたが、9月11日には1万円下げて75万円とした。

さらに9月16日より1万円上げて76万円とした。9月24日には2万円下げて74万円としている。月が替わり10月1日には1万円上げて75万円に戻している。

コロナショック以降の世界的な金余りの下で、ファンド資金が金属マーケットに流入してきていることが、強気材料ともなっている。

[再生資源市場]

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