鉄スクラップ
鉄スクラップの11月市場は、前月までの下落局面から、8ヵ月の上昇局面に転じている。国内市場における、米国スクラップ輸出市況の反騰を契機として、輸出、国内炉前ともに底打ち反発局面が続く状況となっている。
東京製鉄では、11月14日より全工場で炉前価格の500円値上げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも2万2,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万1,000円、九州工場は海上・陸上特級とも2万3,500円、宇都宮工場は陸上特級2万3,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万円としている。
その後は、11月19日より全工場でトン当たり500円方の炉前購入価格の引き上げを行い(田原工場は新断、ダライ粉類は1,000円上げ)、田原工場は海上・陸上特級とも2万3,000円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万1,500円、九州工場は海上・陸上特級とも2万4,000円、宇都宮工場は陸上特級2万3,500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万500円となっている。
さらに11月27日からは、全工場で炉前価格の500円値上げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも2万3,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万2,000円、九州工場は海上・陸上特級とも2万4,500円、宇都宮工場は陸上特級2万4,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万1,000円としている。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の11月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比2,014円値上がりの2万4,307円となっている。
米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR260ドル台まで上昇してきた。日本の鉄スクラップ輸出船積みについても、引き合いも出てきて、輸出市況も底入れから上昇となってきた。
粗鋼生産
10月の全国の粗鋼生産は815万7,100トンで前年同月比4.9%減少となり、前年同月比では4ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は610万3,300トンで前年同月比3.3%減少となり3ヵ月連続の減少、電炉鋼は205万3,800トンで同比9.5%減少となり8ヵ月連続の減少となっている。
電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は72万2,700トンで前年同月比6.6%減少、H形鋼は27万6,700トンで同比17.7%減少となった。
10月の世界の粗鋼生産は1億5,149万4,000トンで前年同月比2.6%減少となり、中国は8,152万1,000トンで同比0.6%減少、アメリカは740万7,000トンで同比2.0%減少、韓国は598万3,000トンで 同比3.5%減少、トルコは268万7,000トンで同比15.0%減少などとなっている。
非鉄金属
非鉄金属については、10月の銅地金価格は、中旬は下落、下旬は上昇と小幅での上下動が続いた。11月4日からは1万円下げて67万円としたが、6日からは2万円上げて69万円。12日に1万円下げ、15日に1万円下げて67万円とした。
その後、20日に1万円上げて68万円、27日に1万円上げて69万円としている。米中の通商交渉の動きが注目されている。
[再生資源市場]
1.価格動向
※鉄スクラップ | 2019年1月 | 2019年3月ピーク | 2019年8月 | |||
東京製鉄 | 31,000円 | (1/8) | 35,000円 | (3/6) | 26,000円 | (8/31) |
関鉄源輸出 | 28,775円 | (1/11) | 34,010円 | (3/12) | 27,714円 | (8/9) |
2019年9月 | 2019年10月 | 2019年11月 | ||||
東京製鉄 | 23,500円 | (9/14) | 22,500円 | (10/9) | 24,000円 | (11/27) |
関鉄源輸出 | 24,849円 | (9/11) | 22,293円 | (10/9) | 24,307円 | (11/12) |
※銅 | 2019年1月 | 2019年3月ピーク | 2019年8月 | |||
LME銅 | 5,901ドル | (1/25) | 6,328ドル | (3/26) | 5,675ドル | (8/24) |
国内銅 | 71万円 | (1/28) | 74万円 | (3/26) | 64万円 | (8/26) |
2019年9月 | 2019年10月 | 2019年11月 | ||||
LME銅 | 5,757ドル | (9/27) | 5,773ドル | (10/24) | 5,856ドル | (11/27) |
国内銅 | 66万円 | (9/27) | 68万円 | (10/24) | 69万円 | (10/24) |
2.鉄鋼
※鉄鋼 | 2019年10月 | |
粗鋼生産計 | 815万7,100トン | (前年比4.9%減) |
転炉鋼 | 610万3,300トン | (前年比3.3%減) |
電炉鋼 | 205万3,800トン | (前年比9.5%減) |
小形棒鋼 | 72万2,700トン | (前年比6.6%減) |
H形棒鋼 | 27万6,700トン | (前年比17.7%減) |
10月新設住宅着工戸数 | 7万7,123戸 | (前年比7.4%減) |
粗鋼世界計 | 1億5,149万4,000トン | (前年比2.8%減) |
中 国 | 8,152万1,000トン | (前年比0.6%減) |
インド | 908万9,000トン | (前年比3.4%減) |
韓 国 | 598万3,000トン | (前年比3.5%減) |
台 湾 | 182万 トン | (前年比9.8%減) |
ベトナム | 168万 トン | (前年比25.1%増) |
トルコ | 268万7,000トン | (前年比15.0%減) |
アメリカ | 740万7,000トン | (前年比2.0%減) |
3.電炉製品
東京製鉄(11/18) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 62,000円 | (前月比 横ばい) | |
H形鋼(中巾) | 83,000~93,000円 | (前月比 横ばい) |