資源マーケット情報10月

鉄スクラップ

　鉄スクラップの10月市場は、前月と同様下落局面が続いた。国内市場における、電炉メーカーの減産に伴う鉄スクラップ需要の低下などが弱気材料となったが、米国輸出市況の上昇の下で底入れ気配も出始めてきている。

　東京製鉄では、10月4日より4工場で炉前価格の500円方値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも2万3,000円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万1,000円、宇都宮工場は陸上特級2万3,000円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも２万円としている。

　その後は、10月9日より全工場でトン当たり500円方の炉前購入価格の引き下げを行い、田原工場は海上・陸上特級とも2万2,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万500円、九州工場は海上・陸上特級とも2万3,000円、宇都宮工場は陸上特級2万2,500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも1万9,500円となっている。

　さらに10月19日からは、田原工場で500円方の値下げとなり、海上・陸上特級とも2万2,000円としている。

　アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の10月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比2,556円値下がりの2万2,293円となっている。

　米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR250ドル台まで上昇してきた。日本の鉄スクラップ輸出船積みについても、台湾、ベトナムなどからの引き合いも出てきて、輸出市況も底入れから上昇の気配となってきた。

粗鋼生産

　9月の全国の粗鋼生産は804万5,200トンで前年同月比4.5%減少となり、前年同月比では3ヵ月連続の減少となっている。

　粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は606万2,000トンで前年同月比4.1%減少となり2ヵ月連続の減少、電炉鋼は198万3,200トンで同比5.9%減少となり7ヵ月連続の減少となっている。

　電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は67万6,400トンで前年同月比4.3%減少、H形鋼は28万4,300トンで同比2.7%減少となっている。

　9月の世界の粗鋼生産は1億5,149万9,000トンで前年同月比0.3%減少となり、中国は8,277万3,000トンで同比2.2%増加、アメリカは707万2,000トンで同比2.5%減少、韓国は569万1,000トンで 同比2.7%減少、トルコは273万3,000トンで同比6.9%減少などとなっている。

非鉄金属

　非鉄金属については、10月の銅地金価格は上旬に下落したものの、中旬以降には上昇局面となった。10月4日からは2万円下げて64万円としたが、10月10日からは1万円上げて65万円、10月16日には2万円上げて67万円とした。

　さらに10月24日は1万円下げて68万円としている。米中の通商交渉での合意の動きなどを受け、非鉄金属市況は、上昇となってきている。

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