2019年8月　資源マーケット情報

鉄スクラップ

　鉄スクラップの8月市場は、下落局面が続く状況となった。東京製鉄では、8月7日より2工場で炉前価格の値下げとなり、岡山工場は500円下げて海上・陸上特級とも2万5,000円、高松鉄鋼センターは1,000円下げて海上・陸上特級とも2万3,000円としている。

　その後は、8月23日より西日本4工場でトン当たり500～1,000円（岡山工場のみ1,000円値下げ）の炉前購入価格の引き下げを行い、田原工場は海上・陸上特級とも2万5,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも2万4,000円、九州工場は海上・陸上特級とも2万4,500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万2,500円となっている。

　8月29日からは、2工場で500円の値下げとなり、岡山工場は海上・陸上特級とも2万3,500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万2,000円としている。

　さらに8月31日からは、宇都宮工場がトン当たり500円の値上げを行っており、陸上特級2万6,000円としている。

　アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の8月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比346円値下がりの2万7,714円としている。

　鉄スクラップの主力仕向け先の韓国では、検査強化となり、引き合いも低調なものとなっている。

粗鋼生産

　7月の全国の粗鋼生産は838万6,700トンで前年同月比0.4%減少するなど、前年同月比では2ヵ月ぶりの減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は654万5,200トンで前年同月比3.0%増加し2ヵ月連続の増加、電炉鋼は184万1,500トンで同比10.8%減少し、5ヵ月連続の減少となっている。

　電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は65万5,000トンで前年同月比7.3%減少、H形鋼は28万9,500トンで同比14.8%減少。

　東京製鉄は9月の鋼材の販売価格は据え置きとなっている。7月の世界の粗鋼生産は1億5,669万7,000トンで前年同月比1.7%増加となり、中国は8,522万3,000トンで同比5.0%増加、アメリカは751万4,000トンで同比1.8%増加、韓国は604万1,000トンで 同比2.1%減少、トルコは292万5,000トンで同比10.6%減少などとなっている。

非鉄金属

　非鉄金属については、8月の銅地金価格は月初には下落局面となった。その後は小幅な上げも見られたが、その後、下落が続いた。8月5日からは4万円下げて65万円としたが、8月14日からは1万円上げて66万円とした。

　その後については、8月19日に1万円下げて65万円、さらに8月26日にも1万円下げて64万円としている。米中の関税引き上げが続き、中国の景気の先行きに対する懸念も拡大してきており、市場では先安ムードでの9月入りとなっている。

再資源市場

１、価格動向

鉄スクラップ

銅

２、鉄鋼

３、電炉製品