NGP 日本自動車リサイクル事業協同組合(佐藤 幸雄理事長、以下NGP)は「自動車リサイクル事業を通じて未来のために今できること」をテーマに、2015年国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の取り組みを推進する活動をスタートすることを宣言。去る7月23日に同組合会議室にて記者発表を行った。
【SDGs】17の目標
私たちの地球は資源の枯渇、増加する廃棄物、温暖化問題など深刻な状況にある。NGPは、使用済み自動車の適正処理を高度化し、その使用済み自動車から有効に活用する「リユース部品」を社会に提供して、求められる資源循環型社会構築への使命を果たすとともに、人々の豊かな暮らしと、子供たちの未来のために「人」、「車」、「地球」にやさしい組織活動を推進している。
NGPの事業は、このような活動を推進していることから、まずは自らの事業にしっかりと取り組むことが社会や環境、経済の発展に貢献すると考えている。SDGs達成に向けた取り組みにおいては、「環境再生」、「教育支援」、「循環型社会の形成」に重点を置き、SDGsが対象としている社会課題の解決に積極的に取り組んでいくとしている。
NGPのSDGsモデル
今回の宣言に至った背景は、NGPも毎年出展している環境展示会「エコプロ2018」への出展がきっかけ。他の出展者がSDGsを掲げているのを見たことで、自らの事業がSDGsに直結するものだと気づいたことがすべての始まり。
こうして自らの事業を見直す一環で、「そういえば豊島問題は解決したのだろうか?」と思いを巡らし、実はまだ完全解決には至っていないことが判明し、今回のプロジェクトに取り込むなど、発表に至った次第である。
取り組み内容1:豊島環境再生
・NGPの自動車リユース部品が利用されることで生まれるCO2削減量に応じて寄付金
・NGP協同組合が運営する廃車買取りサービス「廃車王」で車を1台お引取りする毎に寄付金
・「廃車王」全加盟店にオリジナル募金箱を設置し寄付
・豊島の環境再生活動/海ごみ対策活動 等ボランティア活動
寄付金は、香川県瀬戸内海の豊島で起きた国内最大級の不法投棄事件※1をきっかけに設立された「瀬戸内オリーブ基金」を通じて、豊島をはじめとする瀬戸内の環境再生に利用される。
豊島での事件は、その多くが自動車の破砕くずであり、自動車リサイクル事業者であるNGPこそ環境再生に貢献し、豊かな自然を次の世代に引き継いでいきたいと考えている。
※1 香川県瀬戸内海にある「豊島」で1990年国内最大級とよばれる産業廃棄物の不法投棄事件。廃棄物には汚泥、廃油が含まれ、中でも一番多かったのが使用済み自動車の破砕くず(シュレッダーダスト)だった。2003年から廃棄物の撤去がはじまり、廃棄物の量は93万トン以上、処理費総額は700億円以上。昨年、撤去が終わったと思われた土壌から新たな廃棄物610トンが発見され、現在も撤去作業が続くとともに、汚染された地下水の浄化作業は見通しがたっていない。
取り組み内容2:子どもたちの教育支援
・NGPの自動車リユース部品1点につき「ベルマーク5点」を付与
・NGP組合員会社で、全国の小学生を対象に自動車リサイクルが学べる工場見学を実施
・NGP組合員会社で募金/寄付活動。寄付金は「交通遺児育英会」を通じて、保護者の交通事故が原因で就学困難となる子供たちを支援
取り組み内容3:循環型社会の形成/廃棄物の抑制
・使用済み自動車の適正処理
・自動車リサイクル部品の啓蒙活動
・素材の再利用
・自動車リサイクル部品の環境負荷低減効果の研究(明治大学/富山大学共同研究)
このような活動を通じて、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の構築のために貢献していきたいと考えている。
【組織概要】
組織名 : NGP日本自動車リサイクル事業協同組合
本部 : 〒108-0074 東京都港区高輪3-25-33 長田ビル2F
創立 : 1985年4月
理事長 : 佐藤 幸雄
組合員数 : 136組合員、166拠点
主な事業内容: 健全な自動車リサイクル事業の構築を目指し、全国組合員企業
の経営意識向上、意識改革までの「企業の社会責任」を遂行し、
補修部品の消費者へ啓蒙と販売
URL : http://www.ngp.gr.jp/
【組織概要】
組織名 : NPO法人瀬戸内オリーブ基金
本部 : 〒761-4661 香川県小豆郡土庄町豊島家浦3837-4
創立 : 2000年11月
理事長 : 岩城 裕
主な事業内容: 瀬戸内の自然を豊かに、また美しいふるさとの再生を目指して、
基金の趣旨に賛同いただいた方からの寄付によって、
瀬戸内で活動するNPOや地域ボランティアへの助成、
瀬戸内の自然を保護/再生に向けた取り組み