3.東京都からの中古車流出台数(2017年)
次に、東京都に焦点を当てて、どこにどれだけ中古車として流出しているかを確認する。『自動車統計データブック』の2017年のデータを見ると、東京都からの流出は、合計で213,958台であり、このうち、首都圏(関東)の他県向けが56%と最も多い。つまり、近隣の県への流出が圧倒的に多い。それに続くのが中部(10%)、東北(7%)、近畿(7%)である。
図 4 東京都からの中古車国内流出台数の流出先(地方運輸局)別割合(2017年)
出典:『自動車統計データブック』2018年版より阿部新作成
都府県別に見ると、神奈川県、埼玉県、千葉県向けが圧倒的に多く、それぞれ全体の17%、15%、12%である。それ以外では茨城県(5%)、愛知県(4%)、北海道(3%)、静岡県(3%)、栃木県(3%)、大阪府(3%)、群馬県(3%)、福岡県(2%)の順で多い。つまり、近隣県以外では大都市に主に移動している。図5は主要都道府県向けの数量を図示したものである。
図 5 東京都からの中古車の主要流出先都道府県と流出台数(2017年)
出典:『自動車統計データブック』2018年版より阿部新作成
4.東京都からの中古車国内流出台数(1983年)
次に筆者が今回入手した最も古い1983年の東京都からの中古車国内流出台数を見てみたい。その数量は175,834台であり、2017年よりも少ない。その流出先について地域別の割合を見ると首都圏(関東)が73%(128,628台)であり、東京都から流出する中古車の4分の3近くが首都圏内であったことが分かる。
先に見たように、2017年の東京都から首都圏向けの中古車国内流出台数の割合は全体の56%であり、それでも大きい印象があったが、1983年はさらに大きい。1980年代の方が近隣に流出する傾向が強く、近年はそれから広域化している様子が窺える。
図 6 東京都からの中古車国内流出台数の流出先(地方運輸局)別割合(2017年)
出典:『自動車統計データブック』1984年版より阿部新作成
図5と同様に、東京都の中古車流出先を主要都道府県別に見たものが図7である。分かりやすいように、図5の2017年の数量と比較している。これを見ると、埼玉県、千葉県、新潟県、沖縄県、山梨県で減少し、他は増加していることが分かる。これを見ても移動が広域化している様子が感じられる。
図 7 東京都からの中古車の主要流出先都道府県と流出台数(1983年、2017年)
出典:『自動車統計データブック』1984年、2018年版より阿部新作成