資源マーケット情報

鉄スクラップの価格

　鉄スクラップの4月市場は、内外において価格は下落局面が続く状況となり、国内電炉の炉前価格はH2＝3万円台を割り込んだ。

　東京製鉄では、4月2日より、宇都宮工場がトン当たり1,000円値下げして陸上特級3万3,500円とした。その後については、4月5日、11日、13日、16日、18日、20日、24日と全工場で炉前価格の値下げを続けてきた。

　4月24日からは、全工場でトン当たり500円の炉前購入価格の値下げがあり、田原工場は海上・陸上特級とも3万1,000円（新断類は1,000円下げ）、岡山工場は海上・陸上特級とも3万円、九州工場は海上・陸上特級とも3万1,000円、宇都宮工場は陸上特級2万9,500円、高松鉄鋼センターは海上・陸上特級とも2万8,000円としている。

　アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の4月10日の輸出テンダーでは、落札価格は前月比1,710円値下がりの3万2,300円としている。

　鉄スクラップの国際マーケットにおいても、米国では、コンポジットプライスが295ドルと23ドルの大幅な値下げが見られた。米国スクラップのアジア向け輸出市況も下落となり、日本からの輸出も値下がりした。鉄鉱石価格については、上昇が見られ、強気の材料となってきている。

粗鋼生産

　3月の全国の粗鋼生産は908万4,200トンで前年同月比0.0%減少となり、前年同月比では7ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は678万2,000トンで前年同月比0.0%増加となり7ヵ月ぶりの増加、電炉鋼は230万2,100トンで同比0.1%減少となり2ヵ月ぶりの減少となっている。

　電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は76万4,700トンで前年同月比2.5%増加、H形鋼は36万9,500トンで同比2.0%増加となった。東京製鉄は5月の鋼材の販売価格は全品種で据え置きとなっている。

　3月の世界の粗鋼生産は1億5,500万9,000トンで前年同月比4.9%増加となり、中国は8,032万6,000トンで同比4.9%増加、アメリカは775万2,000トンで同比5.7%増加、韓国は626万6,000トンで 同比2.8%増加、トルコは298万6,000トンで同比11.7%減少などとなっている。

非鉄金属の価格

　非鉄金属については、4月の銅地金価格は小幅な上下動となっていたが、5月の連休明けは、トランプショックから、海外金属市況は急落となり、国内銅も値下がりとなっている。

　4月1日からは2万円上げて76万円、さらに4月4日より1万円上げて77万円とした。その後は、4月11日に1万円下げて76万円、4月16日に1万円上げて77万円、4月24日に1万円下げて76万円としている。

　5月に入り、トランプショックと、中国経済の先行き不透明感などの要因で海外非鉄市況は全面安となり、国内銅も5月7日より2万円下げて74万円となり、市場では、米中の貿易問題の下で、下げ局面が続いていくものと見られてきている。

1.価格動向

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