資源マーケット情報 2024年4月

鉄スクラップ

鉄スクラップの4月市場は、日本からのアジア向けの鉄スクラップ輸出価格には、底入れからの上昇も見られたが、国内市況に対する影響は無いレベルに留まった。為替相場の円安ドル高基調は、輸出市況を支える材料となってきたが、為替の乱高下で先行きに不透明感も出てきている。

東京製鐵は、東京製鐵では、3月13日から、全工場で炉前購入価格を1000円引き下げ、田原工場、岡山工場、九州工場は海上・陸上特級5万1500円、宇都宮工場は陸上特級5万1500円、名古屋サテライト、高松鉄鋼センターは陸上特級5万500円としていた。その後、価格の据え置きを続けていたが、宇都宮工場は、製鋼トラブルの影響もあり、4月19日より、炉前価格を1000円引き下げており、陸上特級5万500円としている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出ルートについてみると、関東鉄源協同組合の輸出落札価格は、4月10日に987円値上げ、H2=5万1087円としたが、炉前価格が輸出を上回っており、追随の動きは無かった。

海外市場においては、指標となる米国スクラップのトルコ向けの輸出市況は、上下動が見られる中でも、CFR380ドル台での推移となっていた。

粗鋼生産

3月の全国の粗鋼生産は719万7000トンで前年同月比3・9%減少となり、前年同月比では4ヵ月ぶりの減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は514万4500トンで前年同月比7・0%減少となり2ヵ月ぶりの減少、電炉鋼は205万2500トンで同比4・9%増加となり5ヵ月連続の増加となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、4月の銅地金価格は、大幅な上昇局面となっている。4月1日からは1万円上げて138万円、その後も4月3日から2万円上げて140万円、4月5日から5万円上げて145万円、4月10日から1万円上げて146万円、4月15日から1万円上げて147万円、4月16日より5万円上げて152万円、4月19日より2万円上げて154万円、さらに4月23日より2万円上げて156万円と史上最高値の更新を続けている。乱高下となっている為替相場の動向も注目されてきている。

[再生資源市場]

※鉄スクラップ 2023年11月 2023年12月 2024年1月
東京製鉄 50,500円 (11/1) 51,000円 (12/9) 51,000円 (1/26)
関鉄源輸出 50,238円 (11/9) 51,020円 (12/8) 53,081円 (1/26)
※銅
LME銅 8,281ドル (11/27) 8,439ドル (12/20) 8,421ドル (1/29)
国内銅 130万円 (11/27) 128万円 (12/20) 130万円 (1/29)
※鉄スクラップ 2024年2月 2024年3月 2024年4月
東京製鉄 53,000円 (2/15) 51,000円 (3/13) 50,500円 (4/19)
関鉄源輸出 53,087円 (2/9) 50,100円 (3/12) 51,087円 (4/10)
※銅
LME銅 8,472 ドル (2/22) 8,745ドル (3/26) 9,814.5ドル (4/23)
国内銅 132万円 (2/22) 137万円 (3/26) 156万円 (4/23)

[鉄鋼]

2024年3月
粗鋼生産計 719万7,000トン (前年比 3.9%減 )
転炉鋼 514万4,500トン (前年比 7.0%減 )
電炉鋼 205万2,500トン (前年比 4.9%増 )
小形棒鋼 64万0,800トン (前年比 0.9%減 )
H形棒鋼 29万7,300トン (前年比 8.3%減 )
3月新設住宅着工戸数 6万4,265戸 (前年比 12.8%減 )
2024年3月
粗鋼世界計 1億6,120万トン (前年比 4.3%減  )
中 国 8,830万トン (前年比 7.8%減  )
インド 1,270万トン (前年比 7.8%増   )
アメリカ 690万トン (前年比 0.0%増  )
韓 国 530万トン (前年比 9.5%減  )
ロシア 660万トン (前年比 0.8%増  )
トルコ 320万トン (前年比 18.0%増  )

[電炉製品]

東京製鉄(4/15)
異形棒鋼(D13~25) 98,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中幅) 127,000~142,000円 (前月比 横ばい)
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