資源マーケット情報 2024年3月

鉄スクラップ

鉄スクラップの3月市場は、海外市場における鉄スクラップ価格の下落のもとで、日本からのアジア向けの鉄スクラップ輸出価格も下落となった。こうした輸出安を受けて国内電炉メーカーも炉前高価格を引き下げてきている。為替相場には、一時的に円高ドル安への移行も見られたが、その後は、1ドル=150~151円と円安ドル高基調となったことは、輸出市況を支える材料となっている。

東京製鐵は、3月1日から、高松鉄鋼センターが2000円の値上げ、陸上特級5万2000円とした。3月8日からは、全工場で炉前購入価格を500円引き下げ、田原工場、岡山工場、九州工場は海上・陸上特級5万2500円、宇都宮工場は陸上特級5万2500円、名古屋サテライト、高松鉄鋼センターは陸上特級5万1500円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の3月12日の輸出テンダーにおいて、落札平均価格はトン当たり5万100円で前月比2987円の値下がりとなった。

これに対して、東京製鐵では、3月13日から、全工場で炉前購入価格を1000円引き下げ、田原工場、岡山工場、九州工場は海上・陸上特級5万1500円、宇都宮工場は陸上特級5万1500円、名古屋サテライト、高松鉄鋼センターは陸上特級5万500円とした。

海外市場においては、指標となる米国スクラップのトルコ向けの輸出市況は、2月末にはCFR391ドルと20ドル下がりした。3月に入ってからもCFR380ドルまで下落したが、その後、底入れ感が出てきている。

粗鋼生産

2月の全国の粗鋼生産は698万9000トンで前年同月比1・1%増加となり、前年同月比では3ヵ月連続の増加となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は512万3000トンで前年同月比1・4%増加となり2ヵ月ぶりの増加、電炉鋼は186万6000トンで同比0・1%増加となり4ヵ月連続の増加となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、2月の銅地金価格は、大幅な上昇が見られる月となった。3月1日からは1万円下げて131万円、さらに3月11日から1万円さげて130万円となった。その後は、3月14日から5万円上げて135万円、さらに3月19日から4万円上げて139万円として、史上最高値を更新した。その後、3月26日より2万円下げて137万円とした。月替わり4月1日より1万円上げて138万円とした。米国の金融政策、中国の景気対策の動向が、引き続き注目されてきている。

[再生資源市場]

※鉄スクラップ 2023/10月 2023年11月 2023年12月
東京製鉄 50,000円 (9/13) 50,500円 (11/1) 51,000円 (12/9)
関鉄源輸出 50,236円 (10/12) 50,238円 (11/9) 51,020円 (12/8)
※銅
LME銅 7,900.5ドル (10/27) 8,281ドル (11/27) 8,439ドル (12/20)
国内銅 125万円 (10/25) 130万円 (11/27) 128万円 (12/20)
※鉄スクラップ 2024年1月 2024年2月 2024年3月
東京製鉄 51,000円 (1/26) 53,000円 (2/15) 51,000円 (3/13)
関鉄源輸出 53,081円 (1/26) 53,087円 (2/9) 50,100円 (3/12)
※銅
LME銅 8,421ドル (1/29) 8,472 ドル (2/22) 8,745ドル (3/26)
国内銅 130万円 (1/29) 132万円 (2/22) 137万円 (3/26)

[鉄鋼]

2024年2月
粗鋼生産計 698万9,000トン (前年比 1.1%増 )
転炉鋼 512万3,000トン (前年比 1.4%増 )
電炉鋼 186万6,000トン (前年比 0.1%増 )
小形棒鋼 56万9,300トン (前年比 2.2%減 )
H形棒鋼 25万0,900トン (前年比 4.1%減 )
2月新設住宅着工戸数 5万9,162戸 (前年比 8.2%減 )
2024年2月
粗鋼世界計 1億4,880万トン (前年比 3.7%増  )
中 国 8,120万トン (前年比 3.5%増   )
インド 1,180万トン (前年比 11.4%増   )
アメリカ 650万トン (前年比 1.2%減  )
韓 国 510万トン (前年比 1.5%減  )
ロシア 570万トン (前年比 4.4%減  )
トルコ 310万トン (前年比 46.6%増  )

[電炉製品]

東京製鉄(3/18)
異形棒鋼(D13~25) 98,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中幅) 127,000~142,000円 (前月比 横ばい)
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