資源マーケット情報 2023年7月

鉄スクラップ

鉄スクラップの7月市場は、6月から引き続いて強気ムードでの展開が見られた。輸出市況の上昇を受ける形で炉前価格は上昇となった。全国ベースでの鉄スクラップ輸出数量が高水準となったこと、市中の発生が低下したことは、強気材料となったが、電炉メーカーの夏季減産で国内の鉄スクラップの需要も低下してきている。海外鉄源市況の軟調のもとで天井感の台頭から様子見となってきている。

東京製鉄では、7月12日から全工場において、炉前購入価格をトン当たり500~1500円引き上げいる。田原工場は500円上げて海上・陸上特級4万9000円、名古屋サテライトは500円上げて陸上特級4万8000円、岡山工場は1000円上げて海上・陸上特級4万9500円、九州工場は1000円上げて海上・陸上特級4万9500円、宇都宮工場は1500円上げて陸上特級5万円、高松鉄鋼センターは1000円上げて陸上特級4万7500円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートでは、関東鉄源協同組合の7月11日の輸出テンダーでは、落札平均価格はトン当たり4万9740円で前月比1573円の値上がりとなった。

海外市場においては、指標となっているトルコ向けの輸出市況は、軟化局面が続いてきている。

鉄スクラップの主要エリアである、関東地区の浜値は、H2=5万~5万1000円まで上昇している。為替相場の円安ドル高の進行、市中の発生低下が、輸出ルートにおける強気材料となっている。

粗鋼生産

6月の全国の粗鋼生産は732万4800トンで前年同月比1・7%減少となり、前年同月比では18ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は532万500トンで前年同月比0・4%増加となり18ヵ月ぶりの増加、電炉鋼は200万4200トンで同比6・6%減少となり11ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、7月の銅地金価格は、上下動が続く状況となった。7月7日からは2万円下げて124万円となった。その後についてみると、7月12日から2万円下げて122万円としたが、7月14日より3万円上げて125万円、7月19日からは2万円下げて123万円、7月25日からは3万円上げて126万円とした。月替わり8月1日からは5万円上げて131万円とした。中国での景気刺激策に対する期待感が強気の材料となってきている。

[再生資源市場]

※鉄スクラップ 2023年2月 2023年3月 2023年4月
東京製鉄 53,500円 (2/10) 53,000円 (3/29) 49,000円 (4/26)
関鉄源輸出 53,362円 (2/9) 55,438円 (3/9) 50,556円 (4/11)
※銅
LME銅 9,121ドル (2/22) 8,934ドル (3/28) 8,762.5ドル (4/25)
国内銅 129万円 (2/22) 123万円 (3/28) 122万円 (4/25)
※鉄スクラップ 2023年5月 2023年6月 2023年7月
東京製鉄 47,000円 (5/11) 48,500円 (6/10) 50,000円 (7/12)
関鉄源輸出 46,173円 (5/10) 48,167円 (6/9) 49,740円 (7/11)
※銅
LME銅  8,082ドル (5/26) 8,367ドル (6/28) 8,430ドル (7/25)
国内銅 119万円 (5/29) 126万円 (6/28) 126万円 (7/25)

[鉄鋼]

2023年6月
粗鋼生産計 732万4,800トン (前年比 1.7%減 )
転炉鋼 532万0,500トン (前年比 0.4%増 )
電炉鋼 200万4,200トン (前年比 6.6%減 )
小形棒鋼 62万0,400トン (前年比 10.6%減 )
H形棒鋼 32万2,200トン (前年比 1.3%減 )
6月新設住宅着工戸数 7万1,015戸 (前年比 4.8%減 )
2023年6月
粗鋼世界計 1億5,880万トン (前年比 5.1%減  )
中 国 9,110万トン (前年比 7.3%減    )
インド 1,120万トン (前年比 4.1%増   )
アメリカ 680万トン (前年比 2.3%減  )
韓 国 550万トン (前年比 0.1%減  )
ロシア 580万トン (前年比 8.8%増  )
トルコ 290万トン (前年比 10.4%減  )

[電炉製品]

東京製鉄(7/18)
異形棒鋼(D13~25) 98,000円 (前月比 横ばい)
 H形鋼(中幅) 127,000~142,000円 (前月比 横ばい)
広告