資源マーケット情報　2023年6月

鉄スクラップ

鉄スクラップの６月市場は、５月後半からの強気ムードでの展開が見られた。為替相場の円安・ドル高基調は、引き続いて輸出船積み市況におけるプラス材料となっている。

東京製鉄では、６月７日から宇都宮工場の炉前購入価格を２０００円値上げしており、同工場の陸上特級は４万９０００円となった。ところが、６月９日の関東鉄源協同組合の輸出落札価格が、４万８１６７円に留まったことを受ける形で、６月１０日より宇都宮工場の炉前購入価格を５００円値下げして陸上特級４万８５００円とした。なお、同日からは、岡山工場、九州工場、高松鉄鋼センターで新断類を５００円値下げしている。その後、６月１７日より宇都宮工場を除く各工場において、炉前購入価格をトン当たり１０００～１５００円引き上げて、田原工場は海上・陸上特級４万８５００円、名古屋サテライトは陸上特級４万７５００円、岡山工場は海上・陸上特級４万８５００円、九州工場は海上・陸上特級４万８５００円、高松鉄鋼センターは陸上特級４万５００円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートでは、関東鉄源協同組合の６月９日の輸出テンダーでは、落札平均価格はトン当たり４万８１６７円で前月比１９９４円の値上がりとなった。

海外市場においては、指標となっているトルコ向けの輸出市況は、緩やかながら軟調局面が続いてきている。

鉄スクラップの主要エリアである、関東地区の浜値は、Ｈ２＝４万８０００～４万９０００円台まで回復してきている。為替相場の円安ドル高の進行、市中の発生低下が、輸出ルートにおける強気材料となっている。

粗鋼生産

５月の全国の粗鋼生産は７６４万９３００トンで前年同月比５・２％減少となり、前年同月比では１７ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は５６０万３９００トンで前年同月比５・６％減少となり１７ヵ月連続の減少、電炉鋼は２０４万５４００トンで同比４・０％減少となり１０ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、６月の銅地金価格は、基調としては上昇局面が続いた。月末については、下落も見られたが、６月は、価格回復の月となった。月替わり６月１日から１万円下げて１１８万円となった。その後についてみると、６月６日からは３万円上げて１２１万円とした後も、６月１４日より３万円上げて１２４万円、６月１９日からは３万円上げて１２７万円、さらに６月２３日からは１万円上げて１２８万円とした。６月２８日からは２万円下げて１２６万円とした。為替のドル高と米国金利上げが世界経済のマイナスの材料となってきており、金属マーケットも海外市況は軟調となっている。為替相場の円安ドル高が、価格を支えるものとなっている。

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