資源マーケット情報　2023年5月

鉄スクラップ

鉄スクラップの５月市場は、前半までは４月に引き続いて下落局面となった。月後半には、海外鉄源市況の反発の動きの中で、アジア向け輸出市況より底入れとなってきた。為替相場の円安・ドル高基調は、輸出船積み市況におけるプラス材料。

東京製鉄では、輸出安を受ける形で、５月１１日から炉前購入価格を２０００～３０００円方値下げ（宇都宮のみ１０００円値下げ）しており、田原工場は海上・陸上特級４万７５００円、名古屋サテライトは陸上特級４万７０００円、岡山工場は海上・陸上特級４万７０００円、九州工場は海上・陸上特級４万７５００円、宇都宮工場は陸上特級４万７０００円、高松鉄鋼センターは陸上特級４万５０００円となった。さらに５月１９日からは、名古屋サテライトが５００円値下げして陸上特級４万６５００円とした。その後については、月末まで価格は据え置きを続けてきた。５月１９日の時点での各工場における特級ベースでの価格を３月１０日のピーク時と比べると、田原工場は海上・陸上特級８０００円の値下がり、名古屋サテライトは陸上特級８５００円の値下がり、岡山工場は海上・陸上特級８５００円の値下がり、九州工場は海上・陸上特級８０００円の値下がり、宇都宮工場は陸上特級８５００円の値下がり、高松鉄鋼センターは陸上特級９５００円の値下がりとなっている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートでは、関東鉄源協同組合の５月１０日の輸出テンダーでは、落札平均価格はトン当たり４万６１７３円で前月比４３８３円の値上下がりとなった。

海外市場においては、指標となっているトルコ向けの輸出市況は、底入れから反騰局面となってきている。

鉄スクラップの主要エリアである、関東地区の浜値は、Ｈ２＝４万８０００円台まで回復してきている。

粗鋼生産

４月の全国の粗鋼生産は７２３万８５００トンで前年同月比３・１％減少となり、前年同月比では１６ヵ月連続の減少となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は５２７万４０００トンで前年同月比３・４％減少となり１６ヵ月連続の減少、電炉鋼は１９６万４５００トンで同比２・４％減少となり９ヵ月連続の減少となっている。

非鉄金属

非鉄金属についてみると、５月の銅地金価格は、上下動が続いた。月前半については、下落局面が続いていた。下旬には反発も見られたが、６月入りは下落した。５月８日からは１万円下げて１２１万円とした後も、５月１１日より３万円下げて１１８万円、５月１６日からは１万円下げて１１７万円とした。５月１９日からは１万円上げて１１８万円としたが、５月２４日からは２万円下げて１１６万円とした。５月２９日からは３万円上げて１１９万円とした。月替わり６月１日から１万円下げて１１８万円となった。中国における景況の悪化は、弱気の材料となってきている。

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