鉄スクラップ
鉄スクラップの8月市場は、中旬に入り、アジア向け輸出市況の反騰を契機に国内炉前価格も底打ちから上昇局面に転じる状況となった。
東京製鉄では、7月29日からの全工場での値下げの後は、8月前半は価格を据えおいていた。
8月19日からは3工場で1000~3000円の値上げとなり反騰に転じ、岡山工場は海上のみ1000円の値上げで特級4万2000円、九州工場は海上3000円値上げで特級4万3000円、陸上1500円値上げで特級4万3000円、宇都宮工場は2000円値上げで陸上特級4万8500円とした。
その後も、8月25日から5工場での2000~3000円の値上げを行い(田原工場は据え置き)、名古屋サテライトは陸上特級4万3000円、岡山工場は海上特級・陸上特級ともに4万5000円、九州工場は海上特級・陸上特級ともに4万6000円、宇都宮工場は陸上特級4万6000円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万2000円とした。8月27日からは田原工場が3000円値上げして海上特級4万4500円、陸上特級4万5000円となった。
8月30日からは全工場において2000円の値上げ(宇都宮工場は1000円値上げ)となり、田原工場は海上特級4万6500円、陸上特級4万7000円、名古屋サテライトは陸上特級4万5000円、岡山工場は海上・陸上特級4万7000円、九州工場は海上・陸上特級4万8000円、宇都宮工場は陸上特級4万7000円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万4000円となった。
月替わり後も9月1日より全工場で1000~2500円値上げ、9月3日には3工場で値上げとなり、この時点において、田原工場が海上特級4万8000円、陸上特級4万8500円、名古屋サテライトは陸上特級4万7500円、岡山工場は海上・陸上特級5万500円、九州工場は海上・陸上特級5万1000円、宇都宮工場は陸上特級4万8000円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万7500円となった。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートでは、関東鉄源協同組合の8月10日の輸出テンダーが前月比2493円の値下げとなる平均4万2061円で2万トン落札。その後、輸出価格は続騰。8月末に関東地区浜値はH2=4万7500~4万9000円まで上昇した。
粗鋼生産
7月の全国の粗鋼生産は732万5900トンで前年同月比8・5%減少となり、前年同月比では7ヵ月連続の減少となった。
粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は535万1600トンで前年同月比11・5%減少となり7ヵ月連続の減少、電炉鋼は197万4300トンで同比0・9%増加となり3ヵ月連続の増加となった。
非鉄金属
非鉄金属については8月の銅地金価格は、上下動の中で、月末価格は前月を上回った。
8月1日からは3万円上げて111万円。その後は、8月3日から2万円下げて109万円。8月8日に2万円上げて111万円、8月12日からは3万円上げて114万円としたが、8月16日に3万円下げて111万円、8月19日からは3万円上げて114万円、8月23日には2万円上げて116万円、8月26日からは1万円上げて117万円とした。月替わり9月1日からは3万円下げて114万円とした。
米国の利上げ継続と中国の景気後退への懸念が弱気材料となってきている。
[再生資源市場]
※鉄スクラップ | 2022年3月 | 2022年4月ピーク | 2022年5月 | |||
東京製鉄 | 64,500円 | (3/30) | 66,500円 | (4/19) | 57,500円 | (5/31) |
関鉄源輸出 | 63,510円 | (3/9) | 67,010円 | (4/12) | 不成立 | (5/11) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 10,350ドル | (3/29) | 10,268ドル | (4/22) | 9,287ドル | (5/26) |
国内銅 | 133万円 | (3/29) | 137万円 | (4/22) | 125万円 | (5/26) |
※鉄スクラップ | 2022年6月 | 2022年7月 | 2022年8月 | |||
東京製鉄 | 51,000円 | (6/30) | 41,000円 | (7/29) | 47,000円 | (8/30) |
関鉄源輸出 | 53,560円 | (6/9) | 44,554円 | (7/12) | 42,061円 | (8/10) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 8280.5ドル | (6/24) | 7591.5ドル | (7/27) | 8315ドル | (8/26) |
国内銅 | 118万円 | (6/24) | 108万円 | (7/27) | 117万円 | (8/26) |
[鉄鋼]
2022年7月 | |||
粗鋼生産計 | 732万5,900トン | (前年比 | 8.5%減 ) |
転炉鋼 | 535万1,600トン | (前年比 | 11,5%減 ) |
電炉鋼 | 197万4,300トン | (前年比 | 0,9%増 ) |
小形棒鋼 | 65万9,000トン | (前年比 | 1,3%減 ) |
H形棒鋼 | 29万2,100トン | (前年比 | 10,1%増 ) |
7月新設住宅着工戸数 | 7万2,981戸 | (前年比 | 5,4%減 ) |
2022年7月 | |||
粗鋼世界計 | 1億4,930万トン | (前年比 | 6,5%減 ) |
中 国 | 8,140万トン | (前年比 | 6,4%減 ) |
インド | 1,010万トン | (前年比 | 3,2%増 ) |
アメリカ | 700万トン | (前年比 | 6,4%減 ) |
韓 国 | 610万トン | (前年比 | 0,6%減 ) |
ロシア | 550万トン | (前年比 | 13,2%減 ) |
トルコ | 270万トン | (前年比 | 20,7%減 ) |
[電炉製品]
東京製鉄(8/22) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 97,000円 | (前月比 5,000円値下げ) | |
H形鋼(中幅) | 124,000~136,000円 | (前月比 横ばい) |