鉄スクラップ
鉄スクラップの7月市場は、前月に引き続き下げ局面となった。値下げのペースはそれまでより加速されている。アジア向け輸出市況、国内炉前価格とも続落局面となっている。
東京製鉄では、7月2日からは、2工場で500円値下げ、田原工場は海上・陸上特級とも5万3000円、名古屋サテライトは陸上特級5万2500円とした。その後も、7月6日、9日と値下げ、13日からの全工場での1000~1500円の値下げにより、田原工場は海上特級4万9000円、陸上特級4万9500円、名古屋サテライトは陸上特級4万9000円、岡山工場は海上特級4万8000円、陸上特級4万9000円、九州工場は海上特級4万7500円、陸上特級4万9000円、宇都宮工場は陸上特級4万8500円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万7500円となり、5万円台を割り込んだ。
その後についても、7月16日、23日、27日、29日と炉前の値下げを続けた。7月29日からは全工場で炉前購入価格をトン当たり2000円方の値下げ、田原工場は海上・陸上特級とも5万3000円、名古屋サテライトは陸上特級5万2500円とした。その後も、7月6日、9日と値下げ、13日からの全工場での1000~1500円の値下げにより、田原工場は海上特級4万1500円、陸上特級4万2000円、名古屋サテライトは陸上特級4万1000円、岡山工場は海上特級4万1000円、陸上特級4万2000円、九州工場は海上特級4万円、陸上特級4万1500円、宇都宮工場は陸上特級4万1000円、高松鉄鋼センターは陸上特級3万9000円となった。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の7月12日の輸出テンダーでは、前月と比べ9006の値下げとなる平均4万4554円で2万5000トン落札となった。
海外市場においては、ロシア産の安価な半製品の輸出が続いていることから、鉄源市況は続落している。関東地区の浜値はH2=3万6000~3万8000円と4万円台を割り込できている。
粗鋼生産
6月の全国の粗鋼生産は744万8600トンで前年同月比8・1%減少となり、前年同月比では6ヵ月連続の減少となっている。
粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は530万500トンで前年同月比11・7%減少となり6ヵ月連続の減少、電炉鋼は214万8200トンで同比2・0%増加となり2ヵ月連続の増加となった。電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は69万4300トンで前年同月比0・7%増加、H形鋼は32万6300トンで同比1・6%増加となっている。
非鉄金属
非鉄金属については7月の銅地金価格は、上下動の中で、月末価格は前月を下回った。
7月1日からは1万円下げて117万円。その後も、7月5日からは4万円下げて113万円、7月7日に5万円下げて108万円と下げ局面が続いた。7月11日からは2万円上げて110万円としたが、7月13日に5万円下げて105万円、7月19日からは2万円上げて107万円、7月22日には2万円下げて105万円、7月27日からは3万円上げて108万円とした。月替わり8月1日からは3万円上げて110万円とした。
欧米の利上げに伴う世界景況の先行き不透明感は弱気材料となってきている。
[再生資源市場]
※鉄スクラップ | 2022年2月 | 2022年3月 | 2022年4月ピーク | |||
東京製鉄 | 57,000円 | (2/15) | 64,500円 | (3/30) | 66,500円 | (4/19) |
関鉄源輸出 | 55,845円 | (2/9) | 63,510円 | (3/9) | 67,010円 | (4/12) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,996ドル | (2/21) | 10,350ドル | (3/29) | 10,268ドル | (4/22) |
国内銅 | 120万円 | (2/21) | 133万円 | (3/29) | 137万円 | (4/22) |
※鉄スクラップ | 2022年5月 | 2022年6月 | 2022年7月 | |||
東京製鉄 | 57,500円 | (5/31) | 51,000円 | (6/30) | 41,000円 | (7/29) |
関鉄源輸出 | 不成立 | (5/11) | 53,560円 | (6/9) | 44,554円 | (7/12) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,287ドル | (5/26) | 8280.5ドル | (6/24) | 7591.5ドル | (7/27) |
国内銅 | 125万円 | (5/26) | 118万円 | (6/24) | 108万円 | (7/27) |
[鉄鋼]
2022年6月 | |||
粗鋼生産計 | 744万8600トン | (前年比 | 8.1%減 ) |
転炉鋼 | 530万0500トン | (前年比 | 11.4%減 ) |
電炉鋼 | 214万8200トン | (前年比 | 2.0%増 ) |
小形棒鋼 | 69万4300トン | (前年比 | 0.7%増 ) |
H形棒鋼 | 32万6300トン | (前年比 | 1.6%増 ) |
6月新設住宅着工戸数 | 7万4596戸 | (前年比 | 2.2%減 ) |
2022年6月 | |||
粗鋼世界計 | 1億5810万トン | (前年比 | 5.9%減 ) |
中 国 | 9070万トン | (前年比 | 3.3%減 ) |
インド | 1000万トン | (前年比 | 6.3%増 ) |
アメリカ | 690万トン | (前年比 | 4.2%減 ) |
ロシア | 500万トン | (前年比 | 22.2%減 ) |
韓 国 | 560万トン | (前年比 | 6.0%減 ) |
トルコ | 290万トン | (前年比 | 13.1%減 ) |
[電炉製品]
東京製鉄(7/19) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 102,000円 | (前月比 横ばい) | |
H形鋼(中幅) | 124,000~136,000円 | (前月比 横ばい) |