鉄スクラップ
鉄スクラップの6月市場は、前月に引き続き下げ局面となった。海外鉄源市況の値下げのもとアジア向け輸出市況、国内炉前価格とも続落局面となっている。
東京製鉄では、6月7日からは、名古屋サテライトが500円値下げ陸上特級5万7000円、宇都宮工場が500円値下げ陸上特級5万7000円とした。さらに、宇都宮工場では、6月9日からも500円値下げ陸上特級5万6500円とした。6月10日から全国工場で炉前購入価格をトン当たり1000円方の値下げ、田原、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも5万6000円、宇都宮工場は陸上特級5万5500円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万5000円としている。その後についても、6月16日、22日、23日、25日、28日、29日と炉前の値下げを続けた。月末6月30日からは4工場で炉前購入価格をトン当たり1000円方の値下げ、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも5万2000円、宇都宮工場は陸上特級5万1000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万1000円としている。月替わり、7月2日からは、2工場で500円値下げ、田原工場は海上・陸上特級とも5万3000円、名古屋サテライトは陸上特級5万2500円とした。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の6月9日の輸出テンダーでは、前回(4月)と比べ1万3450円の下げとなる5万3560円で5500トン落札となった。
海外市場においては、ロシア産の安価な半製品の輸出が続いたことから、鉄源市況は続落した。トルコ向け輸出市況は、CFR330~335ドルまで急落、3月ピーク半値まで値下がりした。関東地区の浜値は4万7000~4万7500円と5万円台を割り込できている。
5月の全国の粗鋼生産は747万1000トンで前年同月比4・4%減少となり、前年同月比では4ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は545万9000トンで前年同月比5・6%減少となり4ヵ月連続の減少、電炉鋼は201万2000トンで同比1・3%減少となり2ヵ月連続の減少となった。電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は67万9000トンで前年同月比5・4%増加、H形鋼は29万9000トンで同比4・9%増加となっている。
粗鋼生産
5月の世界の粗鋼生産は1億6950万トンで前年同月比3・5%減少となり、国別でみると中国は9660万トンで同比3・5%減少、インドは1060万トンで同比17・3%増加などとなっている。
非鉄金属
非鉄金属については6月の銅地金価格は、上旬は上昇したものの、後半は反落局面となった。6月1日からは2万円上げて127万円とした。その後も6月7日には7万円上げて134万円、6月9日からは2万円上げて136万円とした。結果的にはこの価格がピークとなり、下げに転じた。3月13日に3万円下げて133万円、6月15日からは4万円下げて129万円、6月17日には3万円下げて126万円とした。
6月22日からは1万円上げて127万円としたが、6月24日からは9万円下げて118万円とした。7月1日からは1万円下げて117万円。上げ下げが続く状況。中国経済の減速、欧米の利上げとインフレ圧力、エネルギー価格の高騰はマイナス材料とされている。
【再生資源市場】
1.価格動向 | ||||||
※鉄スクラップ | 2022年1月 | 2022年2月 | 2022年3月 | |||
東京製鉄 | 53,000円 | (1/13) | 57,000円 | (2/15) | 64,500円 | (3/30) |
関鉄源輸出 | 50,983円 | (1/12) | 55,845円 | (2/9) | 63,510円 | (3/9) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,965ドル | (1/27) | 9,996ドル | (2/21) | 10,350ドル | (3/29) |
国内銅 | 119万円 | (1/27) | 120万円 | (2/21) | 133万円 | (3/29) |
※鉄スクラップ | 2022年4月ピーク | 2022年5月 | 2022年6月 | |||
東京製鉄 | 66,500円 | (4/19) | 57,500円 | (5/31) | 51,000円 | (6/30) |
関鉄源輸出 | 67,010円 | (4/12) | 不成立 | (5/11) | 53,560円 | (6/9) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 10,268ドル | (4/22) | 9,287ドル | (5/26) | 8280.5ドル | (6/24) |
国内銅 | 137万円 | (4/22) | 125万円 | (5/26) | 118万円 | (6/24) |
【鉄鋼】
2022年5月 | |||
粗鋼生産計 | 806万4900トン | (前年比 | 4・2%減) |
転炉鋼 | 593万5500トン | (前年比 | 6・3%減 ) |
電炉鋼 | 212万9500トン | (前年比 | 2・0%増 ) |
小形棒鋼 | 69万4400トン | (前年比 | 10・2%増 ) |
H形棒鋼 | 33万3600トン | (前年比 | 4・6%増 ) |
5月新設住宅着工戸数 | 6万7193戸 | (前年比 | 4・3%減 ) |
2022年5月 | |||
粗鋼世界計 | 1億6950万トン | (前年比 | 3・5%減 ) |
中 国 | 9660万トン | (前年比 | 3・5%減 ) |
インド | 1060万トン | (前年比 | 17・3%増 ) |
アメリカ | 720万トン | (前年比 | 2・6%減 ) |
ロシア | 640万トン | (前年比 | 1・4%減 ) |
韓 国 | 580万トン | (前年比 | 1・4%減 ) |
トルコ | 320万トン | (前年比 | 1・4%減 ) |
【電炉製品】
東京製鉄(6/20) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 102,000円 | (前月比 横ばい) | |
H形鋼(中幅) | 124,000~136,000円 | (前月比 横ばい) |