鉄スクラップ
鉄スクラップの3月市場は、2月に続き輸出市況の高騰を受けての国内炉前上昇が続く状況となった。
東京製鉄では、3月10日より全国工場で炉前購入価格をトン当たり3,000円引き上げ（田原の電特A、特Aは4,000円上げ）、田原工場は海上・陸上特級とも6万円、岡山工場は海上・陸上特級とも6万円、九州工場は海上・陸上特級とも6万円、宇都宮工場は陸上特級6万円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万8,000円となっている。6万円台は13年ぶりの高値である。
この後も3月15日、19日、24日と全工場での値上げが続いた。3月30日から500円の値上げとなり、各工場の炉前購入価格をみると、田原工場は海上・陸上特級とも6万4,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも6万4,500円、九州工場は海上・陸上特級とも6万4,500円、宇都宮工場は陸上特級6万4,500円、高松鉄鋼センターは陸上特級6万3,500円となっている。
4月に入り5日からも500円の値上げが続き、田原、岡山、九州工場は海上・陸上特級とも6万5,000円、宇都宮工場は陸上特級6万5,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級6万4,000円となっている。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の3月9日の輸出テンダーをみると、落札価格は前月比で7,665円値上げとなる、トン当たり平均6万3,510円で1万トンが契約された。
海外市場においては、ロシア・ウクライナ情勢を受けて、鉄鋼、鉄源は供給不足からの急騰局面となった。米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR670ドル台へと続騰となっている。
粗鋼生産
2月の全国の粗鋼生産は729万8,600トンで前年同月比2.3%減少となり、前年同月比では2ヵ月連続の減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は535万2,900トンで前年同月比3.5%減少となり2ヵ月連続の減少、電炉鋼は194万5,600トンで同比1.2%増加となり12ヵ月連続の増加となっている。
電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は59万700トンで前年同月比5.9%減少、H形鋼は26万600トンで同比13.4%増加となっている。
2月の世界の粗鋼生産は1億4,270万トンで前年同月比5.7%減少となり、国別でみると中国は7,500万トンで同比10.0%減少、インドは1,010万トンで同比7.6%増加、アメリカは640万トンで同比1.4%増加、韓国は520万トンで 同比6.0%減少、トルコは300万トンで同比3.3%減少などとなっている。
非鉄金属
非鉄金属については、3月の銅地金価格は、騰勢を強め、史上最高値に接近している。3月1日からは2万円下げて119万円とした。その後、3月3日からは5万円上げて124万円、3月7日に3万円上げて127万円と上昇が続いた。
3月9日からは3万円下げて124万円、15日には2万円下げて122万円とした。その後、3月17日からは3万円上げて125万円、22日からは3万円上げて128万円、24日からは3万円上げて131万円、そして3月29日からは2万円上げて133万円、4月1日は2万円下げて131万円となった。
[再生資源市場]
1.価格動向
| ※鉄スクラップ | 2021年10月 | 2021年11月 | 2021年12月 | |||
| 東京製鉄 | 56,000円 | (10/28) | 55,000円 | (11/13) | 53,500円 | (12/24) |
| 関鉄源輸出 | 53,213円 | (10/12) | 不成立 | (11/10) | 不成立 | (12/9) |
| ※銅 | ||||||
| LME銅 | 10,500ドル | (10/19) | 9,852ドル | (11/24) | 9,521ドル | (12/22) |
| 国内銅 | 134万円 | (10/19) | 118万円 | (11/24) | 114万円 | (12/22) |
| ※鉄スクラップ | 2022年1月 | 2022年2月 | 2021年12月 | |||
| 東京製鉄 | 53,000円 | (1/13) | 57,000円 | (2/15) | 64,500円 | (3/30) |
| 関鉄源輸出 | 50,983円 | (1/12) | 55,845円 | (2/9) | 63,510円 | (3/9) |
| ※銅 | ||||||
| LME銅 | 9,965ドル | (1/27) | 9,996ドル | (2/21) | 10,350ドル | (3/29) |
| 国内銅 | 119万円 | (1/27) | 120万円 | (2/21) | 133万円 | (3/29) |
2.鉄鋼
| 2022年2月 | |||
| 粗鋼生産計 | 729万8,600トン | （前年比 | 2.3％減） |
| 転炉鋼 | 535万2,900トン | （前年比 | 3.5％減） |
| 電炉鋼 | 194万5,600トン | （前年比 | 1.2％増） |
| 小形棒鋼 | 59万700トン | （前年比 | 5.9％減） |
| Ｈ形棒鋼 | 26万6,000トン | （前年比 | 13.4％増） |
| 2月新設住宅着工戸数 | 6万4,614戸 | （前年比 | 6.3％増） |
| 2022年2月 | |||
| 粗鋼世界計 | 1億4,270万トン | （前年比 | 5.7％減） |
| 中 国 | 7,500万トン | （前年比 | 10.0％減） |
| インド | 1,010万トン | （前年比 | 7.6％増） |
| アメリカ | 640万トン | （前年比 | 1.4％増） |
| 韓 国 | 520万トン | （前年比 | 6.0％減） |
| トルコ | 300万トン | （前年比 | 3.3％減） |
3.電炉製品
| 東京製鉄（3/22） | |||
| 異形棒鋼（D13～25） | 99,000円 | （前月比 7,000円上げ） | |
| H形鋼（中巾） | 121,000～133,000円 | （前月比 7,000円上げ） | |
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