鉄スクラップ
鉄スクラップの2月市場は、輸出市況の続騰を契機として国内炉前も上昇局面が続く状況となった。
東京製鉄では、2月10日より全国工場で炉前購入価格をトン当たり2,000円引き上げており、田原工場は海上・陸上特級とも5万5,500円、岡山工場は海上・陸上特級とも5万6,000円、九州工場は海上・陸上特級とも5万6,000円、宇都宮工場は陸上特級5万5,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万3,000円となっている。
さらに2月15日からは、全工場で1,000~2,000円の値上げとなった。各工場の炉前購入価格をみると、田原工場は1,500円上げて海上・陸上特級とも5万7,000円、岡山工場は1,000円上げて海上・陸上特級とも5万7,000円、九州工場は1,000円上げて海上・陸上特級とも5万7,000円、宇都宮工場は2,000円上げて陸上特級5万7,000円、高松鉄鋼センターは2,000円上げて陸上特級5万5,000円となっている。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の2月9日の輸出テンダーをみると、落札価格は前月比で4,862円値上げとなる、トン当たり平均5万5,845円で1万トンが契約された。
韓国向けの輸出についてみると上昇局面が続いてきていたが、月末に向けて反落となったものの高値圏を維持してきている。
米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR505ドル台へと上昇しており、年末からは50ドルの値上がりとなってきている。
粗鋼生産
1月の全国の粗鋼生産は775万8,400トンで前年同月比2.1%減少となり、前年同月比では11ヵ月ぶりの減少となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は583万2,700トンで前年同月比4.2%減少となり11ヵ月ぶりの減少、電炉鋼は192万5,700トンで同比4.9%増加となり11ヵ月連続の増加となっている。
電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は58万7,400トンで前年同月比2.5%減少、H形鋼は31万2,200トンで同比4.6%増加となっている。
1月の世界の粗鋼生産は1億5,500万トンで前年同月比6.1%減少となり、国別でみると中国は8,170万トンで同比11.2%減少、インドは1,080万トンで同比4.7%増加、アメリカは730万トンで同比4.2%増加、韓国は600万トンで 同比1.0%減少、トルコは320万トンで同比7.8%減少などとなっている。
非鉄金属
非鉄金属については、2月の銅地金価格は、上下動が続く中も上昇基調となってきている。2月1日からは3万円下げて116万円とした。その後、2月3日からは2万円上げて118万円、2月9日に1万円上げて119万円、2月16日からは2万円上げて121万円と上昇局面が続いた。
2月21日には1万円下げて120万円とした。月替わり3月1日からは1万円下げて119万円としたが、3月3日からは5万円上げて124万円となっている。原油高の経済への影響が続き、ウクライナ情勢を巡り先行きが見通せない状況にある。
[再生資源市場]
1.価格動向
※鉄スクラップ | 2021年9月 | 2021年10月 | 2021年11月 | |||
東京製鉄 | 47,000円 | (9/9) | 56,000円 | (10/28) | 55,000円 | (11/13) |
関鉄源輸出 | 46,260円 | (9/9) | 53,213円 | (10/12) | 不成立 | (11/10) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,275ドル | (9/24) | 10,500ドル | (10/19) | 9,852ドル | (11/24) |
国内銅 | 108万円 | (9/27) | 134万円 | (10/19) | 118万円 | (11/24) |
※鉄スクラップ | 2021年12月 | 2022年1月 | 2022年2月 | |||
東京製鉄 | 53,500円 | (12/24) | 53,000円 | (1/13) | 57,000円 | (2/15) |
関鉄源輸出 | 不成立 | (12/9) | 50,983円 | (1/12) | 55,845円 | (2/9) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,521ドル | (12/22) | 9,965ドル | (1/27) | 9,996ドル | (2/21) |
国内銅 | 114万円 | (12/22) | 119万円 | (1/27) | 120万円 | (2/21) |
2.鉄鋼
2022年1月 | |||
粗鋼生産計 | 775万8,400トン | (前年比 | 2.1%減) |
転炉鋼 | 583万2,700トン | (前年比 | 4.2%減) |
電炉鋼 | 192万5,700トン | (前年比 | 4.9%増) |
小形棒鋼 | 58万7,400トン | (前年比 | 2.5%減) |
H形棒鋼 | 31万2,200トン | (前年比 | 4.6%増) |
1月新設住宅着工戸数 | 5万9,690戸 | (前年比 | 2.1%増) |
2022年1月 | |||
粗鋼世界計 | 1億5,500万トン | (前年比 | 6.1%減) |
中 国 | 8,170万トン | (前年比 | 11.2%減) |
インド | 1,080万トン | (前年比 | 4.7%増) |
アメリカ | 730万トン | (前年比 | 4.2%増) |
韓 国 | 600万トン | (前年比 | 1.0%減) |
トルコ | 320万トン | (前年比 | 7.8%減) |
3.電炉製品
東京製鉄(2/21) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 92,000円 | (前月比 3,000円上げ) | |
H形鋼(中巾) | 114,000~126,000円 | (前月比 3,000円上げ) |