資源マーケット情報　2021年12月

鉄スクラップ

鉄スクラップの昨年12月市場は、前月からの下落局面が続く状況となった。昨年は年間を通して見ると、炉前価格は13年ぶりに5万円台に乗せる等、上昇の年となったが、弱気ムードでの越年となった。

東京製鉄では、12月10日より田原工場はトン当たり500円方の炉前購入価格の引き下げを行い（新断類は2,500円の値下げ）、海上・陸上特級とも5万4,500円、宇都宮工場は500円下げて陸上特級5万4,500円（電特A、特A、シュレッダーAは据え置き）としている。

その後は、12月16日より3工場で500円の値下げを行い、田原工場は海上・陸上特級とも5万4,000円、九州工場は海上・陸上特級とも5万4,000円、宇都宮工場は陸上特級5万4,000円となっている。

さらに12月24日からは、2工場で炉前価格の500円値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも5万3,500円、宇都宮工場は陸上特級5万3,500円としている。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の12月9日の輸出テンダーでは、落札価格は前月に引き続き、希望価格に達せず不調となっている。

韓国現代向けのFOB47,000円まで急落するなどアジア向けの輸出価格は、続落となった。

米国スクラップのトルコ向け輸出市況は、CFR460ドル台まで続落していた。輸出船積みに替わり活発化していた関東地区からの西送りも内航船の不足から停滞してきている。

粗鋼生産

11月の全国の粗鋼生産は803万300トンで前年同月比10.7%増加となり、前年同月比では9ヵ月連続の増加となっている。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は583万3,300トンで前年同月比10.3%増加となり9ヵ月連続の増加、電炉鋼は220万6,900トンで同比11.7%増加となり9ヵ月連続の増加となっている。

電炉の主力製品である小形棒鋼の生産は68万7,600トンで前年同月比0.5%減少、H形鋼は31万6,400トンで同比16.9%増加となった。

11月の世界の粗鋼生産は1億4,330万トンで前年同月比9.9%減少となり、国別でみると中国は6,930万トンで同比22.0%減少、インドは980万トンで同比2.2%増加、アメリカは720万トンで同比13.8%増加、韓国は590万トンで 同比2.7%増加、トルコは340万トンで同比6.1%増加などとなっている。

非鉄金属

非鉄金属については、12月の銅地金価格は、上下動が続いた。12月1日からは5万円下げて113万円とした。さらに12月6日からは1万円下げて112万円とした。その後、12月9日に2万円上げて114万円とした。

12月14日からは2万円下げて112万円とした。その後、12月22日に2万円上げて114万円とした。経済回復の中で需要は拡大基調にある。

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