鉄スクラップ
鉄スクラップの10月市場は、前月に続いて上昇局面となった。次第にピーク感も台頭してきているが、需給はタイト化が続いている。
東京製鉄では、10月2日からは全工場で1,000~2,000円方の値上げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも5万2,000円、岡山工場は海上特級5万2,000円・陸上特級5万3,000円、九州工場は海上特級5万2,000円・陸上特級5万3,000円、宇都宮工場は陸上特級4万9,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万円とした。
さらに10月6日から全工場で1,000~2,000円方の値上げとなり、田原工場は海上特級5万3,000円、陸上特級5万4,000円、岡山工場は海上特級5万3,000円・陸上特級5万4,000円、九州工場は海上特級5万3,000円・陸上特級5万4,000円、宇都宮工場は陸上特級5万1,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万1,000円とした。
宇都宮工場が10月9日に値下げした後、10月19日からは全工場で1,000~3,000円方の値上げとなり、田原工場は海上特級・陸上特級とも5万6,000円、岡山工場は海上特級・陸上特級とも5万5,000円、九州工場は海上特級・陸上特級とも5万6,000円、宇都宮工場は陸上特級5万4,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万2,000円とした。
その後も、田原工場は、10月21日、22日、23日と値上げを続け、海上特級・陸上特級とも5万9,000円、宇都宮工場は10月21日、28日と値上げで陸上特級5万6,000円とした。
しかし、田原工場では、10月30日、11月3日、11月5日と一転、値下げとなり、・海上特級・陸上特級とも5万7,000円としている。
アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の10月12日の輸出テンダーでは、平均落札価格は前月比6,953円値上がりの5万3,213円となっている。
海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、CFR505~510ドルまで値上がりが伝えられていた。新断、HSなどの上級スクラップのアジア向け需要は、拡大基調にあり、H2との価格格差はさらに拡大している。
粗鋼生産
9月の全国の粗鋼生産は、814万3,800トンで前年同月比25.6%増加となり、前年同月比をみると7ヵ月連続の増加となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は602万4,000トンで前年同月比26.7%増加、電炉鋼は211万9,900トンで同比22.5%増加となっている。
前年同月比でみると、転炉鋼、電炉鋼ともに7ヵ月連続の増加となっている。前年同月が大幅減となった反動から高い伸びが続いてきている。
非鉄金属
非鉄金属については、10月の銅地金価格は、さらに激しい価格変動が続いた。10月1日には4万円下げて104万円としたが、その後は上昇が続き、10月5日に3万円上げ、11日に3万円上げて110万円、13日に2万円上げて112万円、15日に8万円上げて120万円、さらに19日には14万円上げて134万円と大きく高値を更新した。
その後は、反落に転じ、20日に9万円下げて125万円、22日から6万円下げて119万円としている。月替わり11月1日には2万円下げて117万円。正に狂乱相場となった。
[再生資源市場]
1.価格動向
※鉄スクラップ | 2021年3月ボトム | 2021年5月 | 2021年6月 | |||
東京製鉄 | 40,000円 | (3/26) | 48,000円 | (5/19) | 49,000円 | (6/24) |
関鉄源輸出 | 42,976円 | (3/10) | 48,833円 | (5/11) | 49,195円 | (6/9) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 8,929ドル | (3/26) | 10,537ドル | (5/13) | 9,390.5ドル | (6/25) |
国内銅 | 103万円 | (3/29) | 119万円 | (5/13) | 109万円 | (6/25) |
※鉄スクラップ | 2021年8月 | 2021年9月 | 2021年9月 | |||
東京製鉄 | 48,000円 | (8/28) | 47,000円 | (9/9) | 56,000円 | (10/28) |
関鉄源輸出 | 46,646円 | (8/19) | 46,260円 | (9/9) | 53,213円 | (10/12) |
※銅 | ||||||
LME銅 | 9,352ドル | (8/27) | 9,275ドル | (9/24) | 10,051ドル | (10/13) |
国内銅 | 107万円 | (8/27) | 108万円 | (9/27) | 119万円 | (10/22) |
2.鉄鋼
2021年9月 | |||
粗鋼生産計 | 814万8,300トン | (前年比 | 25.6%増) |
転炉鋼 | 602万4,000トン | (前年比 | 26.7%増) |
電炉鋼 | 211万9,900トン | (前年比 | 22.5%増) |
小形棒鋼 | 65万9,600トン | (前年比 | 10.8%増) |
H形棒鋼 | 29万7,500トン | (前年比 | 9.7%増) |
9月新設住宅着工戸数 | 7万3,178戸 | (前年比 | 4.3%増) |
2021年9月 | |||
粗鋼世界計 | 1億4,440万トン | (前年比 | 8.9%減) |
中 国 | 7,380万トン | (前年比 | 21.2%減) |
インド | 950万トン | (前年比 | 7.2%増) |
アメリカ | 730万トン | (前年比 | 22.0%増) |
韓 国 | 550万トン | (前年比 | 5.0%減) |
トルコ | 330万トン | (前年比 | 2.4%増) |
3.電炉製品
東京製鉄(9/14) | |||
異形棒鋼(D13~25) | 89,000円 | (前月比 3,000円上げ) | |
H形鋼(中巾) | 106,000~118,000円 | (前月比 5,000円上げ) |