資源マーケット情報　2021年9月

鉄スクラップ

鉄スクラップの9月市場は、月前半は弱気展開が続いていたが、後半には、西日本地区を中心に上昇、アジア向け輸出市況の強気移行のもとで東日本も底入れとなった。

東京製鉄では、宇都宮工場が9月3日の500円炉前価格の値下げの後も9月9日より500円下げて陸上特級4万7,000円とした。

その後は、西日本の４工場を中心に値上げが続いている。9月15日からは、岡山工場、九州工場、高松鉄鋼センターで炉前価格が値上がり、9月18日からは、西日本4工場で1,000円の値上げ（岡山工場の海上特級5万500円で据え置き）、田原工場は海上・陸上特級とも4万9,000円、岡山工場は陸上特級5万1,500円、九州工場は海上・陸上特級とも5万円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万8,500円とした。

その後、9月22日からは西日本4工場で500～2,000円方の値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも5万円、岡山工場は海上特級5万1,000円・陸上特級5万2,000円、九州工場は海上特級5万1,000円・陸上特級5万2,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級4万9,000円とした。

月が替わり、10月2日からは全工場で1,000～2,000円の値上げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも5万2,000円、岡山工場は海上特級5万2,000円・陸上特級5万3,000円、九州工場は海上特級5万2,000円・陸上特級5万3,000円、宇都宮工場は陸上特級4万9,000円、高松鉄鋼センターは陸上特級5万円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の9月9日の輸出テンダーでは、平均落札価格は前月比386円値下がりの4万6,260円となったが、湾岸相場を上回り、底入れの要因となっている。

海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、CFR440ドル台を割り込む値下がりとなった。新断、HSなどの上級スクラップのアジア向け需要は、拡大基調にあり、H2との価格格差は拡大している。

粗鋼生産

8月の全国の粗鋼生産は、792万3,800トンで前年同月比22.9%増加となり、前年同月比をみると6ヵ月連続の増加となった。粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は609万8,900トンで前年同月比24.6%増加、電炉鋼は182万4,900トンで同比17.6%増加となっている。

前年同月比でみると、転炉鋼、電炉鋼ともに6ヵ月連続の増加となっている。前年同月が大幅減となった反動で高い伸びが続いてきている。

非鉄金属

非鉄金属については、9月の銅地金価格は、激しい価格変動が続いた。9月1日には3万円上げて110万円としたが、3日には2万円下げて108万円、9日には1万円下げて107万円とした。

その後も上下動が続き、9月13日には4万円上げて111万円、15日には3万円下げて108万円、21日には5万円下げて103万円、27日には5万円上げて108万円とした。

月替わり10月1日からは、4万円下げて104万円としている。世界最大の銅消費国である中国での電力供給懸念での工場の稼働率低下から、需要の先行きの警戒感が出ている。

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