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RUMアライアンスが2021年度総会を開催

RUMアライアンスが2021年度総会を開催

早稲田大学理工学術院教授 大和田 秀二氏が記念講話のゲストとして登壇

 

特定非営利活動法人RUMアライアンス(以下、RUM)は、去る9月22日に同アライアンスの2021年度総会をリモート開催した。

議題の中心は、2021年度の事業計画についてと、早稲田大学理工学術院教授 大和田 秀二氏による、資源循環型社会の構築についての講話が主となった。

 

議題 2021年度の事業計画について

議決権を持つ正会員15名の内、14名(委任状を含む)が出席し、2021年度総会は成立した。

また、提出された議案は全会一致を持って可決された。

記念講話

「資源循環の考え方と技術的課題」

早稲田大学理工学術院教授(公益財団法人 自動車リサイクル高度化財団 代表理事)大和田 秀二氏(以下 大和田教授)による記念講話が行われた。

 

まず始めに、環境問題の資源循環という観点から、このまま環境問題への対策を疎かにしたままでは近いうちに資源が枯渇し、地球環境が破綻してしまう現状について話した。それを回避するためには、成長的思考から平衡的思考を持って循環型社会を築く必要があるとした。

そのためには、大和田教授は循環型社会構築に際して、動脈産業の自動車業界、静脈産業であるリサイクル業界の協力が重要であるとし、それぞれ注力すべきポイントを挙げた。

まず、現状でも行うことのできる取り組みとして、リサイクルし易い製品デザイン設計が効果的であると述べた。現状、自動車業界では素材の統一など多少の改善は見られるとしたものの、リサイクルを意識した製品設計を行っているとは言い難く、今後の改善を訴えた。

次に製造技術について、IPAT等式(人間活動が環境に与える影響を数式化したもの)を用いてその重要性を説明した。それによれば、地球の人口数やライフスタイルの変更によってもたらされる環境への負荷軽減よりも、物作りをする際に循環型社会を意識した製造技術(自動車の中古市場、リサイクル等)を構築することが10〜100倍の軽減効果が見込めるとのことである。

またリサイクル技術については、高度な破砕(必要な箇所の単体分離)、人に依らない高度な選別を導入することが資源循環型社会への大きな課題だと話した。仮に高度な破砕と選別が導入できた場合、現在リサイクルする際に行われている工程を減らすことが可能となり、環境への負荷は約1/3程にすることができるとの見方を示した。それと同時にリサイクル全工程を通しての最適化システム(ICT、AI、IoT利用を含む)の構築が必須であると見方も示した。

最後に、いずれにしても循環型社会を構築するのに必要なことは、RUMの理念にもある通り、一人ひとりが地球市民としての意識を持って、競争ではなく協調の精神で問題に取り組むことだと話を結んだ。

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