2021年7月の各抹消台数は、輸出抹消とそれ以外で明暗がくっきり分かれる結果となった。
前月は対前年、対前月共にマイナスだった輸出抹消は、またも前月から一転、対前年プラス8.9%、対前月プラス2.1%といずれも増加という結果になった。とはいえ、先月も触れたように1~6月の半年間で前年超えはわずか2ヵ月のみなので、来月は再びマイナスに転じる可能性が大いにあるだろう。
一方、永久抹消及び一時抹消はいずれも対前年、対前月共にマイナスとなった。永久抹消の対前年はマイナス20%、対前月はマイナス4.8%、一時抹消は同様に対前年マイナス5.9%、対前月マイナス7.4%であった。
輸出抹消が好調な一方で、永久抹消・一時抹消が低調ということは、そのまま海外リサイクル市場が好調、国内リサイクル市場が低調と見ることができる。
国内市場の低調について、昨年であれば「新型コロナウイルスの影響」の一言で済ますこともできたが、それなりに対策が講じられてきた今なおこの状況となると、先進安全装置搭載車普及による事故の減少も小さくはないと言えるのではないだろうか。
自動車整備業界、車体整備業界でも、「いずれ来るEV全盛時代に備えて」として乗り出した調査等の活動を前倒しする動きも見られるため、変化の激しい時代においては自動車リサイクル業界も早めの対応が求められるかもしれない。