資源マーケット情報 2021年7月

鉄スクラップ

鉄スクラップの7月市場は、前月までの強気展開から反落局面となったが、下げは小幅なものに留まっている。関東地区の東京製鐵・宇都宮工場は7月中の炉前価格を据え置いた。

東京製鉄は、7月10日から2工場で炉前購入価格500円の値下げとなり、田原工場は海上・陸上特級とも5万1,000円、九州工場は海上・陸上特級とも4万9,500円とした。

7月20日から4工場で500~1,000円の値下げとなり(新断、類のみ価格据え置き)、田原工場は1,000円下げて海上・陸上特級とも5万円、岡山工場は500円上げて海上・陸上特級とも5万500円、九州工場は500円下げて陸上特級4万9,000円、高松鉄鋼センターは500円下げて海上・陸上特級とも4万9,000円とした。

アジア向けの鉄スクラップ輸出船積みルートについてみると、関東鉄源協同組合の7月9日の輸出テンダーでは、平均落札価格は前月比1,307円値下がりの4万7,888円となった。

海外市場では、米国スクラップのトルコ向け輸出価格は、CFR485~490ドルと500ドル台割れと軟化してきている。

新断、HSなどの上級スクラップのアジア向け需要は、拡大基調にあり、H2との価格格差は拡大基調にある。

粗鋼生産

6月の全国の粗鋼生産は、810万800トンで前年同月比44.4%増加となり、前年同月比をみると4ヵ月連続の増加となった。

粗鋼生産を炉別にみると、転炉鋼は600万3,700トンで前年同月比47.4%増加、電炉鋼は210万4,400トンで同比36.4%増加となっている。前年同月比でみると、転炉鋼、電炉鋼ともに4ヵ月連続の増加となっている。前年同月が大幅減となった反動で高い伸びが続いている。

非鉄金属

非鉄金属については、7月の銅地金価格は、上下動が続いたが、月末は111万円まで価格は回復した。7月6日より1万円上げて110万円としたが、その後については、7月9日には3万円下げて107万円、14日には1万円上げて108万円、20日には3万円下げて105万円とした。

この価格を底値として、7月26日には6万円上げて111万円とした。中国による備蓄金属の放出が需給面からの価格抑制材料となっているが、世界的な需要拡大は、価格を支える材料となってきている。

[再生資源市場]

1.価格動向

※鉄スクラップ 2021年1月ボトム 2021年3月ボトム 2021年4月
東京製鉄 29,000円 (1/29) 40,000円 (3/26) 42,000円 (4/15)
関鉄源輸出 44,751円 (1/13) 42,976円 (3/10) 43,380円 (4/9)
※銅
LME銅 7,960.5ドル (1/14) 8,929ドル (3/26) 9,545.5ドル (4/23)
国内銅 87万円 (1/14) 103万円 (3/29) 108万円 (4/26)
※鉄スクラップ 2021年5月 2021年6月 2021年6月
東京製鉄 48,000円 (5/19) 49,000円 (6/24) 49,000円 (6/24)
関鉄源輸出 48,833円 (5/11) 49,195円 (6/9) 47,888円 (7/9)
※銅
LME銅 10,537ドル (5/13) 9,390.5ドル (6/25) 9,580ドル (7/26)
国内銅 119万円 (5/13) 109万円 (6/25) 111万円 (7/26)

2.鉄鋼

2021年6月
粗鋼生産計 810万8,000トン (前年比 44.4%増)
転炉鋼 600万3,700トン (前年比 47.4%増)
電炉鋼 201万4,400トン (前年比 36.4%増)
小形棒鋼 68万7,900トン (前年比 4.6%増)
H形棒鋼 32万1,300トン (前年比 11.0%増)
6月新設住宅着工戸数 7万6,312戸 (前年比 7.3%増)
粗鋼世界計 1億6,790万トン (前年比 11.6%増)
中 国 9,390万トン (前年比 1.5%増)
インド 940万トン (前年比 21.4%増)
アメリカ 710万トン (前年比 44.4%増)
韓 国 600万トン (前年比 17.3%増)
トルコ 340万トン (前年比 38.2%増)

3.電炉製品

東京製鉄(7/13)
異形棒鋼(D13~25) 86,000円 (前月比 3,000円上げ)
 H形鋼(中巾) 106,000~118,000円 (前月比 3,000円上げ)

 

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