株式会社アップガレージ運営アフターパーツ販売サイト
Croooberに迫る
㈱アップガレージ(石田 誠代表取締役会長)は一般ユーザー向けに中古アフターパーツを販売しており、創立は1999年と今年で16年目を迎える。直営、FC、系列店舗(東京タイヤ、GTパーツなど)を合わせて全国に200以上の店舗を持つ中古アフターパーツショップの最大手だ。基本的にパーツの仕入は解体業者や中古車販店などからは仕入ず、個人客からパーツを買い取って店舗で販売する形を取っている。そんな日本中の中古パーツをインターネット上で取引出来るサイト、それがCroooober(以下クルーバー)だ。現在総アイテム数は30万点を超えており、アップガレージ店はもちろんのこと、解体業界大手のNGPグループも参加している。
クルーバーの魅力とアップガレージの構想
「6年前よりEC(エレクトロニックコマース=電子商取引)サイトとして運営をしていたが、その背景にはリアルの店舗での販売を、メインとして事業運営をしていたものの、どうしても高額商品、ナビやホイルなどは地域によっては売りにくい商品があった。そこでインターネットを通じて販売チャネルを広げるという構想に至ったのである。「在庫がはけていかないという状況は、ユーザーから商品を仕入れている我々のような業界では致命傷になります。
どんなに在庫が余っていて、お金が無くても自分達の都合で買い取りの拒否が出来ないのです。そうなるとキャッシュフローが悪くなり、在庫が積み上がっていってしまいます。本来であれば店舗で販売して回すのがいいのですが、地域や店舗によっては回らない場合もあります。新品の場合はそんなことはないのですが、我々は仕入がどうしても先になってしまいます。
そうなった時に店舗間取引が重要になってくるのです。その一つの方法としてウェブの活用に着目したのです」と石田会長。ウェブであればこそ出来る利点と日本最大数の店舗を誇るアップガレージのブランド力、お客さま相談室を設けるなどインフラを整えたことも成長の要因と言えるだろう。そして2013年10月よりクルーバーとなってからは、ただのECサイトではなくSNSサイトのようにコミュニティを作ってユーザー間での情報のやり取りなどが出来る「車、オートバイ好きが集まるサイト」として機能させることが出来るようになった。
例えば写真を投稿して愛車自慢をする、オーナー同士でイベントを企画するなどといった使い方も出来る。元々オークションサイトに対抗できるサイトを作ろうと考え、競合他社や解体業者など垣根を越えてこの業界を盛り上げていけるようにと参画していたので、オークションサイトとは一線を画し、実店舗があるため安心して取引の出来るサイトだ。商品は中古部品業界の常識になりつつある保証もついており、ナビなど高額商品は最長1年も付いている。
海外にも好調なクルーバー
国内でも好調なクルーバーだが、海外にも展開している。「最初の海外取引は15万円するスピーカーでインドネシアから注文が入りました。元々、水戸店にある在庫だったものが、海外に向けた後すぐ売れたので驚きました。その後は割と高額な商品が出荷されています。多くの国から問い合わせをいただいており、この3月スタートながら問い合わせ件数で言うと500件ほど来ていて、その中の15%が実際の取引に繋がっています。発送はフェデックスとEMSで行っています。海外とのやり取りは本部が行っており、在庫を持つ店舗は国内同様に海外なので少し強めに梱包して伝票を付けて送るだけです。決済もカードで行っていますので、問題無く在庫登録会社からは絶賛の声を頂いております」と石田会長。
特に海外に向けた宣伝もしていなかったとのことで、日本のアフターマーケットがいかに海外に注目されているかが分かる。注文の多い商品はホイールなどでアメリカからの問い合わせが多い。
自動車業界というよりもユーザー側でありながら自動車業界を盛り上げるクルーバー。沢山のカーオーナーが足を運び情報交換をしているならば「今ユーザーが何を望んでいるのか」という自動車整備工場にとって有益な情報も得ることが出来るのではないだろうか。もちろん中古部品の販売もしているので、ユーザーからのニーズに対応出来る枠が広がる。国内、海外ともにインターネットサイトとして非常に重要な位置にあるクルーバー、まずは中古部品、特にカスタム系のパーツの需要があった際には活用してみてはいかがだろうか?