斎 藤 智 義

株式会社 イヤサカ・斎藤智義社長インタビュー

新社長就任記念

 昨年末に開催された株主総会にて、大手機械工具商社の1社である株式会社イヤサカの代表取締役社長に斎藤智義氏が就任した。間もなく創業から80周年を迎える同社だが、来るべき80周年に向けての船出となった。そこで今回は社長就任を記念してインタビューを行った。

―社長に就任される前から変わらずに心がけていること、逆に就任してから意識的に変えていることがあれば教えてください。

斎藤社長(以下斎藤) 変わらないことは社員に対するしゃべり方であるとか、しゃべる内容が変わらないように気をつけています。逆に気をつけなくてはいけないと思っていて、うまくいっているか分かりませんけれども、やはり健康に気をつけないといけないと思っております。

―自動車が今後、どのように変わっていくとお考えになっていますか?

斎藤 世界的な傾向としてはEV化の流れになっていますが、欧米諸国や主導権を握ろうとしている中国と比べて、日本ではそこまでEVの比率が高くはならないと思います。10~30%ぐらいでしょうか。ただし、トヨタが手がけてクルマが販売されるようになった時が一番伸びると思います。

―日本の自動車メーカーが本格的にEVにシフトしていくのは何年後だと思われますか?

斎藤 先ほども触れましたが、日本の場合、保有車両の100%がEVという状況はあり得ないのではないかと思います。充電スタンドの電力がたぶん間に合わないですよね。
 ましてや2月初めの北陸などの豪雪を考えると、あの状況ではEVは走れないでしょう。ガソリンや軽油だったら補給する手立てもあるでしょうけれど、バッテリーだとそうはいかないでしょう。ああいうシーンを見て、「EV ってどうなんだろう?」と考え直す人もたくさんいると思います。

 中国がEVに舵を切ったのは、クルマに対する覇権を取りたいがための動きだと思いますし、一番たくさんクルマを買ってくれる国がそうなのだからということで、ヨーロッパの各メーカー、フォルクスワーゲンにしてもルノーにしても、そういう方向に舵を切らざるを得ない。なおかつ、エコという点で国家も国民の支持を得られるという、後ろの後ろの利権を考えてやっているのだと思います。
 しかし、日本のメーカーは慎重だと思いますよ。私は将来を考えるとEVよりFCVの方が正論なのかもしれないと思います。あとは燃料の水素をどうやって保管・販売・運送するかという課題もありますけれども。

―その上で御社がどのような方針で整備業界と関わっていくのでしょうか?

斎藤 全体の保有台数がまだ約八千万台ありますから、当面は今の内燃機を主体としたクルマに対応する方向で間違いないと思うのですけれども、一方でOBD車検に対応することが必要になってくるわけで、当然それには対応してまいります。
 あとは内燃機がなくなるとトランスミッションもなくなるわけですけれども、タイヤ、ブレーキ、動力の伝達といったところは残りますから、引き続き対応してまいります。

― OBD検査はどのようになっていくとお考えでしょうか?

斎藤 まだ決定ではないですけれども、実施されるのではないかと思います。関連として、日整連でもエーミングの勉強会を全国で実施していくことになっていますが、そのためにも必要とされる、スキャンツールの開発を今後どうするのか? というのは、おそらく我々機械工具によるところが大きいと思います。

―自動車のボディー素材も変わっていく中、アルミパネルリペアシステムの研修を展開されていましたが、ああいった先進的な設備機器の研修会・講習会は続けていかれるのでしょうか?

斎藤 その予定です。今年の秋には岐阜県に東海北陸トレーニングセンターが完成しまして、これで全国の各支店にトレーニングセンターを設けたことになります。これらを活用して続けてまいります。東海北陸トレーニングセンターは首都圏トレーニングセンター規模の施設になります。
 また、首都圏トレーニングセンターの敷地の中に、車検機器だけを備えたテクニカルセンター(仮称)を6~7月オープン予定で進めております。
 機器については首都圏トレーニングセンターから移設し、空いたスペースには多くのBP関連の機器が置かれると思います。テクニカルセンター完成の暁には、全国のトレーニングセンターで開催予定の各セミナーのスケジュールをインターネットで公開し、申込もできるようにする予定です。

―今年の大きな目玉として、JAPANトラックショーに出展されると思います。大型車整備にかける思いを教えてください。

斎藤 大型の仕事は当社が大手4社の中で一番少ないと思います。しかし近年、物流の重要性は増しており、それを支える大型車の整備もまた重要性を増しております。
 こうした背景を受け、当社としましても大型車の整備機器の開発に力を入れており、特に大型車用の門型洗車機をモデルチェンジしたので、そこには力を入れていきたいと考えております。

―本日はありがとうございました。

斎 藤 智 義(さいとう ともよし)
昭和30年3月5日生(東京都世田谷区出身)

昭和52年 3 月
昭和52年 4 月
昭和52年 4 月
平成 3 年 4 月
平成12年 4 月
平成14年 3 月
平成15年 9 月
平成18年 9 月
平成22年12月
平成25年12月
平成26年 7 月
平成27年12月
平成29年 7 月
平成29年12月
青山学院大学理工学部 卒業
彌榮工業株式会社(現、株式会社イヤサカ) 入社
東京支店勤務
東京支店販売一課長就任
東京支店次長就任
名古屋支店次長就任
商品部長代理就任
商品部長就任
執行役員・商品部長就任
執行役員・総務部長就任
取締役 管理本部長・総務部長就任
常務取締役 管理本部長・総務部長就任
常務取締役 管理本部長・営業本部副本部長就任
代表取締役社長・営業本部長就任
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