バンザイ・成功事例見学バスツアー

去る10月18・19日の2日間、㈱バンザイ(柳田昌宏社長)主催の経営戦略・工場見学会が首都圏で開催された。関係者71名が参加するなど、ここまで大規模な工場見学会(バスツアー)は同社としては初の試みで、2日間で合計4軒のサービスショップを見学すると共に、初日の最後には2日目の見学先でもある彌生ヂーゼル工業㈱の細田 健社長による講演も行われた。

開会挨拶

柳田 昌宏 氏
株式会社バンザイ 代表取締役

皆さまご存知の通り、自動運転車や電気自動車は実用化に向けた取り組みが大変加速しております。一方で国内外の自動車産業の関心は、自動車の所有に関わるビジネスから、人やモノを運ぶ手段を提供するためのビジネスへと徐々に移ると予想されております。
これに伴って自動車産業はモノ作りと販売から、モビリティサービスを提供する市場へと徐々に変化してくるとも考えられております。すなわち、私たちは、3つの大きな変革に対峙することが求められています。
1つ目は自動運転や電気自動車など、クルマの構造やシステムに対応した整備機器の提供。2つ目はクルマの個人所有からカーシェア、モビリティサービスに変わることによって参入する、新業態企業との関係構築。そして3つ目は先ほどの自動運転やモビリティサービスの進歩によって見直しされるであろう、インフラや自動車に関わる法整備への対応、と考えております。
この加速度を増している、自動車産業の改革期においては、情報のスピードと質と量は大変重要なものであると考えます。そこで今回は、新しい発想の下に作られました整備工場や最新設備のディーラー工場等、今後の皆さまのご商売の参考になるような成功事例を紹介させていただくことを目的としました、経営戦略・工場見学会が開催の運びとなりました。

講演

外国人技能実習制度の活用

彌生ヂーゼル工業株式会社
代表取締役 細 田 健 氏

① 外国人技能実習制度の仕組み
この制度には企業単独型と団体監理型という2つの種類があります。
私どもは団体監理型を採用しています。まず、海外送出し機関がございまして、国内受入れ機関がございます。この2者の間で人が動いていくのですけれども、送出し機関が実習生の募集をかけて、応募があったら受入れ機関に紹介します。受入れ機関は受け入れをして、受入れ企業に斡旋するという仕組みです。そして、実習生と受け入れ企業が雇用契約を結びます。これが一般的な団体監理型の仕組みです。
自動車整備につきましては、昨年4月に追加されました。実際に受入れ企業が決まりますと、送り出し機関で3 ~ 6 ヶ月、それから日本に入国してから1 ヶ月、監理団体で日本語・日本の習慣の研修を行います。
実習期間は3年ということですけれども、今年の11月から5年に延長になります。しかし、3年経った時点で一旦帰国しなければいけません。原則は1 ヶ月以上、母国に滞在して在留資格の変更または取得をしてさらに2年間また日本で働くとなるのですけれども、優良な監理団体や実習実施期間の場合だけとなっています。ですから、すべてが5年間できるというわけではありません。
次に実習生の受入れ人数ですけれども、これも受入れ先の従業員数によって決まっています。私どもは9月現在で従業員数31名ということで、3人を受け入れています。
② 日本での待遇
賃金は都道府県単位の最低賃金以上となっています。ちなみに東京は10月から26円アップしまして、1時間当たり958円になりました。
次に住居の問題ですけれども、住居は1室2名以下、1人当たり床面積3畳以上という基準がありますので6畳に2人は可能なのです。
私どもは、会社から歩いて10分ぐらいの所に3DKのマンションを借り上げました。そこに部屋が3つありますから、1人1部屋で住まわております。ただ、寝具から家電製品、調理用具ですとか色々な物も揃えてあげないといけないのです。
賃金については、今、労働基準法では1分単位で時間外手当を付けなくてはいけないと言われておりますけれども、私どもは残業はさせないという申し合わせをして、定時で終わらせるようにしています。だいたい18万円の給与となっています。
賞与は不要ですけれども、社会保険には加入する必要があります。税金と社会保険料は給料から天引きで、住居費につきましては決まりがありまして、水道光熱費の実費と合わせて2万~ 2.5万円の給与天引きが可能となっています。
③ 問題点
まずは労働力か、技能実習か?というところなのですけれども、農業、漁業、建設業、縫製業といったところは評価も何もなくて、ただ働くだけなのです。しかし、国土交通省は実習生を労働力としては捉えておらず、あくまでも技能実習であるという言い方をしています。
二番目に日本語の習得という問題点を掲げております。日本語の理解は非常に難しいと思います。ですから思った以上に技能を教えるというのも難しくて、1つの仕事を繰り返しさせる方が技能習得の早道なのかなと思います。
それから、3年から5年の実習となるわけですけれども、せっかく日本で技能を修得するのであれば、最低でも3級整備士の資格を取れるように、国土交通省や整備振興会も考えていただきたいと思います。
人材を確保できた所がビジネスの勝者になります。今は2020年のオリンピックに向けて、景気もよくなっているようですが、終わった後は不景気がやってくるとも言われています。我々の業界でも倒産・廃業する所も出てくるかもしれません。
もしそうなった時に、そこと取引していた所は、他の業者を頼ることになるでしょうが、その時に仕事はもらえても人がいなかったら、そもそも仕事は回ってこないでしょう。私はそういった状況が来ると思っています。
ですから、その時のために今から準備しておこうというのがインターンシップであり、外国人技能実習制度なのです。       (一部抜粋)

見学先1 ヤナセ 本社工場

ヤナセ本社工場

地上6階の本社ビルの上層階をサービス工場及びBPサービス工場に当て、輸入車に対して効率的、かつ高度なサービスが行える各種最新機器を導入している他、完全屋内型のサービス工場として万全の環境設備を実現。またショールーム奥にはレセプション専用ストールを完備し、モニターによりサービスストールの映像も見られるなど、顧客への安心感あるサービス対応を実現している。
サービスストールは取扱ブランドごとの専用レイアウトとなっており、ブランドロイヤリティの高い同社顧客に対してハイレベルなサービスを提供している。

見学先2 ダイハツ東京販売 Dモール月島店

ダイハツ東京販売

東京の下町地域、中央区の月島に立地する大型店舗。女性、ファミリー顧客をターゲットとした「カフェプロジェクト」を推進し、「ウェルカムスイーツ」など、お客さまに親しまれるおもてなしの接客により、地域密着の店づくりを展開している。
明るくおしゃれなショールーム、トイレなど、女性客や子供連れのお客さまに対する各種アメニティ設備も充実。
来店型店舗として販売・サービスの連携による迅速、確実なサービスを実施している。
ショールームからもよく見える整備ストールでは、各種機器を定位置管理しているため好感が持てる。

見学先3 彌生ヂーゼル工業

彌生ヂーゼル工業

2011年に現在の葛西トラックターミナルに工場を移転新築した。大型2柱リフト「ツインエース」、コンピュータ車検システム「ネットワーク」をはじめとする最新機器を導入している。
作業効率・作業品質を向上させることにより、高い顧客満足を獲得する一方で、従業員の安全面、働きやすい環境も実現するなど、まさに「CS実現のためにまずはESから」を地で行く。
また、サービスにおける「人」の役割を重視し、「彌生学校」と称されるほど、技術教育・人材育成に力を入れ、長年に亘って優秀な人材を輩出している。

見学先4 千葉マツダ 新港店サービス工場・BPセンター

千葉マツダ

マツダの店舗CI「魂動(KODO)」を導入した、同社最新鋭の店舗。作業の効率性を高める各種整備機器のレイアウトと、スポットクーラーなど環境設備により、快適な作業環境を実現。
また、すべての作業機器をオリジナルカラーに統一するなど、お客さまへのアピール性も重視している。
隣接したBPセンター「オートボディアートファクトリー」では、あらゆるダメージ車両の修復に対応し、ボディの復元から下地、塗装までの作業工程を、一貫した流れの中で行えるようシステム化。高い生産効率と作業品質を実現している。

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