格安レンタカーを始めるべき理由と
押さえておきたいポイント
意外に熱いレンタカー市場
一時期、テレビの情報番組で、節約術特集が放送されると、必ずといっていいほどラインナップされていたのが、中古車を貸し出す格安レンタカーだった。
熱しやすく冷めやすい、日本人の特性からして、放送が沈静化すると共にブームも去ったのかと思いきや、右記の統計によると、さにあらずといった状況が見えてくる。
これは一般財団法人全国レンタカー協会が本年3 月に発表したデータで、これによるとレンタカー業者数及び車両数は全国計で共に増加の一途を辿っている。
特に車種別で見ると、乗用車は唯一のマイナス知らずで事業者数、車両数共に増加を続けている。平成27 年度には長らく20 万代で推移していた車両数が30 万台の大台に乗るばかりでなく、対前年の伸び率も2 桁増と絶好調である。
もちろん、これは新車・中古車を合わせた数字なので、それぞれの比率を出すことはできないが、これほどの勢いは格安レンタカーの普及によるところが大きいといえるだろう。
始める理由は様々だが、その多くは
これまで潜在化していたニーズ
整備工場が格安レンタカーを始める理由は様々である。大別すると以下の4 つだが、このほとんどが今までは潜在化していたニーズであることが興味深い。
① 単純に運営コストを安く抑えたい
「レンタカーに使用する車両は新車である」という認識が、業界はもちろん、利用者の側にも定着していた。しかし、「クルマなんて走れば何でもいいんだから」という意識の若者が増えたことも相まってか、それこそ走りさえすればいい最たるものであるレンタカーも何も新車にこだわる必要はなくなったということなのだろう。
② 中古車の試乗
中古車を販売する上で頭を悩ますのが長期在庫車である。こうしたクルマを何とか売るべく生まれた考え方が、(レンタカーとして)試乗をしてもらってあわよくば買ってもらおうというものである。
③ 通勤用車両不在時のニーズ
特に都心に多いと思われるが、家に1台しかないクルマは通勤用にご主人が使用しており、平日の日中に奥さまが利用したくても利用できないケース。こういったニーズにもまさに地元の整備工場の(格安)レンタカーなら応えることができるのである。
④ 所有車両では役不足のニーズ
自宅にあるのは5 人乗りのセダンタイプ。しかし、持ち回りで回ってくる、子供の野球チームの送り迎えをするにはどうしてもミニバンが必要とか、あるいは休みで遊びに来た息子家族と一緒に出かけるのにやはりミニバンが必要なシルバー層にも、自宅近くの整備工場でレンタカーをやっていれば重宝すること間違いなしである。
始めるに当たって間違えてはいけな
いのがターゲット客層
ただし、始めるに当たって間違えてはいけないのが、どの客層をターゲットにするかということである。先ほど挙げたほとんどの理由はファミリー層に適したものである。
しかし、編集部の記者もそうだがビジネスユース、しかも出張先でレンタカーを使うビジネスマンを狙うのであれば特に、ロケーションが重要である。専業整備工場はどちらかといえば表通りから1本入った所にあることが多く、地元の方ならともかく、しかも初めて行くとなれば敬遠されてしまうのがオチである。
要はしっかりとした商圏分析ができているかどうかということである。これは何もレンタカーに限ったことではないので、この機会に身に付けるつもりで格安レンタカーを始めてみるというのも悪くない。