祝700店舗達成記念 カーベル全国大会特集

「現金2回払い」などの新車の新しい売り方の提案や、中古車を活用した100円レンタカーの展開で自動車業界に旋風を巻き起こしている㈱カーベル(伊藤一正社長)。この度、カーベル店・100円レンタカー店合わせて700店舗を突破したことを記念して、第4回に当たる全国大会を東京プリンスホテルにて開催した。

当日は2人の講師を招いての記念講演や、加盟店4社の事例発表、各種キャンペーンの表彰(プレゼンターはフリーアナウンサーの小林麻耶さん)など、盛りだくさんの内容で行われた。この他、5つの新メニューの発表、また平成30年までに一般の方を含めて誰もが知っているブランド化を目指している同社だが、その先の平成40年までの事業計画についても発表された。
本特集では、写真を交えながら当日の模様を振り返ると共に、今後の同社並びに車販のあり方について考えていく。

伊藤タイム in 全国大会

~今後の展開と新メニュー~

代表取締役 伊藤一正氏

皆さんに「車検<社検」を言い続けて2年になりますが、まだ言い続けます。クルマの点検・検査=車検、これももちろん大事ですが、会社の点検・検査=社検、こちらの方がもっと大事です。会社の基盤がガタガタだと、何をやってもうまくいきません。車屋さんの経営がうまく行くように、経営12項目点検を皆さんと一緒に1年半かけて学びました。

社検とは、会社の点検・検査だけではなくて、社長・社員すなわち自分自身の点検・検査も含まれております。この自分自身の点検・検査ができていないが故に、世間を賑わせたニュース、事件がいくつもありました。

大事な点は100 -1=0ということなのです。99ではありません。私たちは何か1つ不祥事があったらアウトなのです。ですから、社長というのは100 -1が起こらないようにする人のことなのです。決して、偉そうにするとか傲慢にする人ではありません。
私がずっと社検強化を言い続けているのは、その先に会社の一体化というゴールがあるからなのです。社長と社員の未来を共有化することです。会社が大切にしていることをみんなで守ろうとすることです。
そもそも皆さんの会社で大切にしていることを、社員一人一人がみんな知っているかどうか。知らないで一体化は無理です。会社が大切にしていること=会社の軸、理念、方針、この指とまれ!なのです。この旗印こそが社長の想いなのです。想いは言葉にしないと伝わりません。想いを形にしようと思えば、言葉に直さないと無理です。そして行動、やっと成果になります。

さて、私はこの業界で17年目、のべ3,000社近くの車屋さんのお手伝いをしてきまして、社検・一体化の足を引っ張っている犯人をようやく見つけました。その犯人は穴熊社長です。業績がいい時は穴熊社長でもいいのです。しかし、業績が悪い時、会社で改善、改革、変化、挑戦しようとする時、その一瞬は社長が穴から出てこないといけないのです。
皆さんの中には穴熊社長はいませんが、自動車業界には4月以降、穴熊社長がすごく増えました。穴熊社長がよく言うのは、「車検整備はぼちぼちなんやけどね、販売は全然ダメや」です。

車検整備がぼちぼちなのは、社長自身が携わっているからなのです。
販売がからっきしダメなのは、販売に対して社長が穴熊だからうまくいかないのです。ぜひ表に出てきて、同じ熊でもくまモンのように経済効果をもたらしてください。

さて、今後のカーベルですが、平成30年に誰もが知っているネットワークを構築します。これまで、誰もが知っているために分かりやすいサービスを心がけてまいりました。それが「自動車業界の100円ショップ」、100円レンタカーです。ADKさんの調査では、会社名を聞いただけで魅力を感じるブランド第6位になっております。

では、カーベルは何屋さんなのか? 4月に皆さんに決めていただきましたが、「新車市場(いちば)」を新コンセプトとします。来年から知名度のある有名タレントさんによるCMも展開します。平成28年には中古車の新ブランドも立ち上げます。

平成31年にカーベルは3つの会社に分社化することが決定済みです。なぜ平成31年なのか?平成19年にスタートしたカーベル、干支一周12年は私がトップを走るという想いを決めて創業しているからです。

カーベルと100円レンタカーの社長を皆さんから募集します。平成32年にはカーベル学校を作ります。皆さんの中から先生を募集します。

最後になりますが、私たちは皆さんのおかげで700店舗を達成いたしました。「好きか大好きか」、このイズムを全国に広げながら、今日ここにいる皆さんが、もっと今以上に幸せになるようにしっかりお手伝いをさせていただくことを宣言いたします。


 

車検を取るなら車販!
車販をやるならカーベルだ!

車検1台を取る難しさと失った場合の利益

かつては、「店を開けてさえおけば、(勝手に)客が入ってきた」と言われていた自動車整備業界だが、これは保有代数が黙っていても伸びていった時代ゆえの現象であって、保有台数が減少局面に入った現代では通用しない。

ただし、その減少スピードはまだまだ緩やかで、依然として8,000万台弱の車両によりアフターマーケットは形成されている。要は減りこそすれ、大きな伸びが期待できない=頭打ちになったということで、限られたユーザーを取り合う戦国時代に入ったというわけだ。
さて、これまで長らく、車検ありきというか車検頼みでやってきた会社の多い自動車整備業界だが、気になるデータがある。

日整連の整備白書によると、平成25年度の車検整備の1工場当たりの平均入庫台数は専業271台に対して、ディーラーが665台とほぼ3倍となっている。これは何も急に始まったわけではなく、一昨年度もほぼ同じ数字となっている(それぞれ、278台、670台)。

こうした状況は言わずもがなだとは思うが、車販がメインのディーラーといえど、クルマが売れない(にくい)時代に入った以上、車検を含めたメンテナンスで収益を上げるしかないということで、本腰を入れて取りに行っているという結果なのだ。

その担い手はやはり新車購入時に勧めているメンテナンスパックで、購入者の約8割が加入しているとも言われている。このメンテナンスパックによって2回目あるいは3回目の車検まで押さえられてしまっているので、上記のデータのようになっているのも無理はない。

しかも、このところエコカー補助金やら消費税増税前の駆け込み需要など、代替えを誘発する要因が重なった。さらには、新車販売が大きく減少したリーマンショックから5年、停電による減産があった東日本大震災から3年に当たる今年は、いわゆる2014年問題も絡んだことで、御社の車検台数は大丈夫だろうか?

仮に減っていたとすれば、売上的には単なる車検1台では済まされない。今回特集したカーベルでは直近の勉強会にて、クルマの代替サイクルを8年とした場合の付加価値(利益)はいくらか?を示している。

法定整備(車検 5万円×3回、12か月点検 1万円×4回)で19万円、一般整備・鈑金で4万円に加えて、販売時の本体利益12万円、金利や諸費用で6万円、任意保険の手数料(1万円×8年)、タイヤ・バッテリーなど用品粗利で6万円の合計55万円を1台の車両が8年間で生み出すとしている。

冒頭にも書いたように、今や新規客を取ろうというのは容易なことではない。だからこそ、いかに今ある顧客を他者に流出させないかということが重要なのである。

加盟店拡大と同時に人材教育にも力を入れてきたカーベル

以上のようにディーラーが車検を獲得できているのは、やはりクルマを販売しているところが大きい。ならば、専業整備工場も車販に取り組むべきなのだ。しかし、個社個社でディーラーに対抗するのは、仕入れ一つとっても難しい。

そんな時のためにカーベルがあるといっても過言ではない。カーベルはこれまで魅力ある店づくり=色々なクルマの買い方をエンドユーザーに提案することに力を入れてきた。その結果が700店舗という数字なのだ。

ただし、単に店舗数が多いネットワークを作るということでやってきたわけではない。確かに、いたずらに数を追うばかりに、無理矢理な勧誘をして失敗したFCも数知れない。

そうした事例を教訓に、店舗拡大と並行して加盟店の経営者、スタッフを含めた人材教育にもかなり力を入れてきたのがカーベル流だ。今回の全国大会の伊藤社長のパート(いわゆる伊藤タイム)においても、そうした内容が盛り込まれていたことにも、力の入れようが見てとれる。

その人材教育の中でも、このところ繰り返されている言葉に「smallbut “BRAND”」がある。「あの店いいね」となるためには、店自身がブランドにならなければならない、そのためには「あの人いいね」と言われるように一人一人がブランドにならなければならないという言葉だ。

この言葉は一つ一つの積み重ねが大事であることも示唆しており、カーベルもこうした地道な積み重ねの結果、700店舗を数えるに至ったというわけだ。

しかし700店舗はまだまだ通過点に過ぎない。かねてから掲げている「平成30年に誰もが知っているネットワークを構築」という目標に向け、まだまだその勢いを止めないカーベルに御社も加盟してみてはいかがだろうか?

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