数字の強さを買われて就任した女性社長
スキー場で有名な奥中山高原に工場を構えるのが今回おじゃました㈱奥中山オートサービス(中嶋ふさよ社長)である。株式会社化こそ2009年と最近だが、法人化は1972年と創業から含めれば約半世紀、地域住民の足を守り続けている。
業界では珍しい女性社長の中嶋ふさよ社長は20歳の頃から同社で経理を務めており、先代の工場長が定年退職したことを機に、社長に就任し現在に至る。
「社長就任の話を聞いた時に思ったのは、私で務まるのかしら?ということでした。経理のことは分かっても、クルマのことは分かりませんでしたから。でも、社長とは経営者であり、経営者とは数字に強くなければいけない。私は長年経理に携わってきて数字に強いので、この点をオーナーに評価されてのことなんだと前向きに受け止めることができました。そして社長を務めるからには、社員の家庭を世間一般の標準よりも上にしてあげたいという思いも湧いてきました」と中嶋社長は社長就任時のいきさつを語った。
原点回帰が売上、顧客数の増加に
中嶋社長就任時、同社の状況は決して芳しくなく、売上も顧客数も減少傾向にあった。この対策をどうするか、オーナーと話し合った結果、サービス業の原点ともいうべき「お客さまを大切にしよう」というシンプルなものに行き着いた。
具体的には、大型車=法人のお客さまも抱えていることから、入庫から3日以内でお返しするという短納期を心がけ、納期に関するクレームを出さないようにしようという方針を打ち出した。
幸い、若い社員が多く(平均年齢35歳)なっており、スピーディーな対応を実現できる環境にあった。反面、若さ故に挨拶がしっかりできない、身だしなみが整っていないという側面もあり、この点については中嶋社長が社員教育を徹底することでカバーしたという。
結果、「奥中山オートサービスは短納期で納めてくれる」事実が口コミで広がり、地元の一般客はもちろん、牧場や(大規模)農家、はたまた福祉施設と客層は広がり、扱う対象も自動車だけでなく農機具や重機、油圧ホースにまで広がった。まさに、自社を頼ってきてくれたお客さまを大切にするという精神のなせる業である。
広がった顧客を管理するには必要不可欠
これだけ広がった幅広いお客さまを管理するのは、とてもアナログでは追いつかない。同社ではベースシステムのMOTORJIMで顧客管理を行っている。システム導入後、2 ~ 3回はバージョンアップを行っているというから、ユーザー歴はもう10年以上になる。
「当時、他社からも売り込みがありましたが、どれも高かったです。機能面と価格面とのバランスを考えた結果、ベースシステムさんのMOTORJIMに決めました。導入当初は困って電話することも多かったですが、今はそういう機会も減りました」と中嶋社長。困った時にすぐに駆けつけることが何よりも一番のメリットかもしれない。
会 社 名: 株式会社奥中山オートサービス
所 在 地: 岩手県二戸郡一戸町中山字大塚261 番地の3
電 話: 0195-35-2613
F A X: 0195-35-2815
業務内容: 車検、整備、板金塗装、車両販売