全国に広がるスーパー乗るだけセットとは│自動車整備士情報せいび界

株式会社西自動車商会（沖縄県沖縄市）
※2016 年4 月1 日より有限会社から株式会社へ変更

沖縄県沖縄市にある（株）西自動車商会（津嘉山修　代表取締役社長）は昭和49 年に創業し、業界の様々な奔流を経験した後、全国的に広がる個人向け自動車リースを開発した。現代表である津嘉山修社長は平成9 年に西自動車商会に入社し、11 名のスタッフに囲まれ、いつしか経営サイドへと関わりを持つに至った。沖縄県内に3 店舗の拠点を持ちこの程、豊見城市に新店舗をオープンさせた。

「当時は車検と一般整備のみを対象とした事業形態で、車販はほとんど行っていませんでした。そんなこともあって、他社で新車や中古に乗り換えようと、お客さまがどんどん流出していきました。乗り換えのお客さまに対して訴求するためには、やはり販売力をつけなくてはなりません。しかし、車販と一言でいっても、他社がやっていないことをやらなければ、生き残ることは出来ません。そこで生み出されたのが『スーパー乗るだけセット』なのです」と津嘉山修社長。

単純に入口を攻めるといっても、他社の追従や自社が後発であるという穴を埋めることを考え、現在の成長の原点を生み出した。

1 　３つの悪評を克服する
2 　ノウハウゼロで始めたリースの仕事は日を重ねるごとに成長する
3 　２代目がやりたい！全国に広がるスーパー乗るだけセット

　３つの悪評を克服する

「リース商品は3 つの問題点があります。まず、お客さまにメリットが無いという点、２つ目は仕組みが難解な点、そして最後が儲からないという点です。これらの問題を克服しなくては販売することはおろか、認知していただけません。単純に他社がやっていないからといって、個人向けリースの販売を行っていては意味がありません。『スーパー乗るだけセット』はこの3つの悪評を完全に克服させて世に出すことができました」と津嘉山社長。

ユーザーにメリットが無いのは価格的なメリットやローンとの違い、新車を買わないという県民性を打破させることで克服した。具体的には『乗るだけ以外の料金は毎月の支払いに組み込まれている』という単純明快な毎月の支払い金額並びに、車検や保険、消耗品といったものまで組み込まれていることを説明できて初めて克服できたと言える。

２つ目の難解な仕組みとは、リース商品そのものの存在であり、車を買いに来るユーザーにとってはローンとリースの違いなどは分からないのである。だからこそ、『リースを売る』という名目で商談を進めるのではなく、車の買い方の一つとして『スーパー乗るだけセット』を提案している。そして月々〇円という金額に全てが組み込まれているというシンプルな料金体系が好評を博した。

一番の問題点は、多くの整備工場の共通認識であろう、儲からないという点である。基本的にリースの仕事を下請けでやっていては確かに儲かることはない。

工賃も安く、代車代も出ないなど、仕事はあるが儲からない。実際に法人リースの仕事を請けていれば分かると思う。しかしながら、自社で販売し自社で顧客の管理をすることで、コストの削減と収益の確保が現実化できたのである。正に名前の如く顧客は『乗るだけ』という選択肢を選べるようになった。

　ノウハウゼロで始めたリースの
仕事は日を重ねるごとに成長する

リリースしてから爆発的に伸びたかというと、やはり時間は掛かったという。
「リリースして最初の3 ヵ月で10 台ほどの販売が出来ました。その後2 年経ち80台、3 年目には250台と増えていきました。現在では年間800台の販売を行っております。必ず自社へ帰ってきていただけますので、定期点検や車検時、保険の更新、代替のタイミングでの接点を持つなど、他社流出が起きません。リリース当時、他社はもちろん全国的にも少数でありましたので、売り方や提案方法などは手探りで始まり、現在では9,000 件以上のお客さまに恵まれています」と現在までを振り返る津嘉山社長。