ニューサービスとは、指定工場において点検の際に検査と同様のチェックを行うことにより、お客様に点検検査の合否情報を提供し、お客様が整備の内容について選択できるようにする「お客様対話型の車検整備サービスのやり方」です。
ニューサービスの詳しい内容は日整連マニュアルがありますのでさておき、ニューサービスの導入が95年車両法改正とあいまって業界にどのような影響がでてくるのか考えてみましょう。
95年改正で指定整備制度の活用拡大策が図られ、その中の一つとして「検査の合理化措置」が新たに取入れられました。それとニューサービスがドッキングすることにより、車検の多様化はより一層進展するものと思われます。一方で整備と検査は必ずしも一対でないことに気づき、車検は車検期間更新の手続きの一環にすぎないことを理解し始めました。
これらの結果、極端にいって車検は「早く」「安く」「便利に」に行うことに力点が移りました。また定期点検項目数の大幅な削減措置も加わり車検料金は下落し、車検マーケットは一気に熾烈な洗浄と化してきました。さらに民間車検機能を持たない認証工場の劣勢はいかんともしがたく、これから事業継承の正念場を迎える認証工場が増えてくるように思われます。
今後、限られたパイの中で奪い合いが激しくなることは、業界構造を大と小の二極化に向かわせることが予測され企業間格差はますます拡大されていきます。
しかし、巨大なアフターマーケットにおいて、整備分野は基軸であり整備業は主役の位置にあります。努力をすればまだまだ成果があげられる余地があるものと確信しておりますので、成り行き任せの経営ではなく、自社をどのようにポジショニングしていくかの戦略的対応と、与えられた課題を一歩一歩着実にこなしていくネバーギブアップ的経営者魂こそ明日への展望が開かれる道だと思います。