顧客満足は現場で作られることを知る

自動車整備業の接客対応術50

整備業の特徴は、仕入れた商品をお客様に売るのではなく、お客様の車に対して整備作業を施すことでお客様の満足を得ることです。

それは言いかえるならば整備業は、顧客満足を作り出すことでビジネスが成り立っていることになります。こう考えると、顧客満足を作り出す第一線の現場の働きが何より大切になってまいります。

テレビのグルメ番組で、店主がお客様に対して、話はするな黙って食べろ、スープは残さず全部飲め、醤油など調味料は一切使うな、などと口やかましくいう店が取り上げられているのを見ました。味と店主の頑固さが売り物だということですが、鳥小屋ではあるまいに、カウンターに並んだ客が一斉に何も言わずに無言で箸を上げ下げしているそんな情景をどう思われますか。

犬でも食事の時は嬉しい顔をして、時折飼い主の顔を見上げて尻尾を振り、満ち足りた表情を浮かべます。それを見ている飼い主も嬉しそうに、おいしいかと犬に話しかけたり体を撫でてやったりして、食事の時間を共に楽しみ、犬が満足している姿に心を和ませるものです。食事は必要にして楽しみなことです。そこに暖かい雰囲気がなければ、食事ではなく餌にしかすぎなくなります。

お客様の喜びの数の多さが売上を決めるCS経営から見れば、頑固亭主のやり方には問題が多いと言えます。顧客満足は、お客様と会社が接する現場で作られるのです。商品にはお客様に対して説明を必要とするものと不要なものがあります。整備の商品は説明を必要とします。「ベルトにひびが入っているので交換しましょう」「ディスクパットは4ミリあるので今は交換しなくても大丈夫です」と説明することでお客様は納得し満足度を段々高めていきます。

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